滋賀県中小企業家同友会

活動方針

私たちを取り巻く情勢

4月2日、日本銀行発表の企業短期経済観測調査(3月調査)で大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)では2016年3月調査以来8期ぶりに悪化しました。原材料価格の高騰に加え、貿易戦争への懸念や円高進行が背景にあると考えられます。中小企業を見てみると、日本政府が湾岸戦争で多国籍軍に110億円の追加支援を決定した同年11月の調査以来過去2番目のマイナスを記録し、今後は製造業も非製造業もプラス20とさらなる悪化が見込まれます。
加えてトランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入に厳しい関税を課すことに対して、中国は米国からの輸入品128品目への関税上乗せを2日から発動させるとしたことは今後の国内経済に大きな波紋を投げかけ、為替レートも円高に傾き株価も激しく乱高下するなど市場にも影響を与えている中で国際的な貿易戦争につながる恐れさえ見え隠します。
一方雇用に目をやると、有効求人倍率はバブル期のピークを突破して、21世紀に入って最高値を更新しています。しかし、それとは裏腹に賃金上昇率はバブル期のような連動は見られない。 近年では、今国会での「働き方改革」は見送られたものの、契約期間の短い臨時労働者の求人が多く、臨時・季節を除く常用有効求人倍率は、一般の有効求人倍率ほどには高くないという事実があります。
有効求人倍率の上昇は、高い賃上げにより労働力需給が引き締まっているというストーリーに見せるには都合がよく、そうした都合に答える指標に使われている感が否めません。
また、金融政策では、物価は供給された貨幣量に連動すると考えられていますが、日銀がこれだけ多くの貨幣を供給しても、目標通りには物価が上昇してこないという状況です。金融緩和、財政発動、規制緩和というアベノミクスの「三本の矢」の経済政策は、公共事業のための財政発動も進められ、建設関連職種を中心に求人は増加してきたが、事務や組み立てなど、求人倍率の低い職業を希望する求職者にとっては、事態はそれほど改善していないのが現状です。
小売業や飲食サービス業で雇用増加が加速している一方で、消費支出は低迷している中で消費関連産業の雇用が拡大するという動きが見られます。
2014年の消費税率の引き上げは、売り上げ鈍化という形で、小売、飲食の現場を直撃し、働く者は回復に懸命に取り組み、仕事はますます忙しくなり、経営者は生き残るために人手を増やしサービスの向上に努めることで過当競争に陥り、競争の激化と人手不足の悪循環が生じることとなりました。
来年10月には消費税が10%に引き上げられることになっており、さらなる負のスパイラルに入っていくことが予想されます。
アメリカファーストをはじめ中国やロシアでの長期政権の誕生と保護主義的政策、さらに国内でも安倍長期政権による国民との乖離が「加計学園」「森友学園」を生み出す土壌を作り出してきた感は否めません。国家の経営者たるリーダーが、自分のことしか考えなくなった結果、コストを掛けてまで国家間の平和を維持しようとする勢力は今更以上に無力化されてしまうのではないでしょうか。

さて、我が国にとって最も大きな課題の一つ、「人口減少」問題。2018年度の国家予算は98兆円弱で過去最高となり、とりわけ社会保障費は32兆円弱を占め、その財源を巡って義務的経費の削減と社会保険関係の増額、消費税増税を謳っています。
しかし、人口と生産労働人口が減少、超高齢化社会に突入する中、増税でのみ現在の国民サービス並びに防衛や外交を維持していくことは困難であり、多額の赤字国債の発行により予算が成立している状況では、既に地方自治体への富の再分配は破綻していると言っても過言ではありません。
2045年に秋田県の高齢化率は50%に達するとの予測があり、それは秋田県がその後は急激な人口減につながることを示している。日本創成会議が示した全国896の自治体が消滅可能性都市とした一つです。
人口減は着実に現実の課題として進行しており、それは現代に生きる者が経験したことのない世の中を迎えることになります。
このような情勢の中で、同友会運動が掲げる大きな目当ては「幸せの見える共生社会の実現」である。その実現に向け自社事業のお役立ちを拡大していくことが求められています。市場が着実に減少する中、事業をすすめる上での重要なポイントは、「知識」「技能」「態度」と言われており、日本の様々な産業にとって決定的に重要なポイントは「態度」ではないでしょうか。
態度とは、人,集団,社会問題などの社会的環境事象に対する組織化された整合的・持続的な思想,信念,感情,反応傾向の総称です。
生産性のみを追求した「近代産業」ではなく、自分(生産者)の選択ではできない「風土」の中で、人を中心にその風土(地域性)によって物やサービスが作られ、その課程でノウハウが蓄積され、そのノウハウをさらに向上させることが地域から当てにされる企業となり、この国の原風景を守ることにつながっていくと考えます。
先を見通せない状況であるからこそ同友会の根幹である理念の実現をめざす指針経営は、経世済民を自社経営に統合し、将来の国民と企業の関係を再構築することをめざすものであるとの認識が大切でしょう。

2018年度スローガン

すべての経営者に同友会を伝えよう
「~同友会の存在、理念、真髄を~」
~活力ある企業づくり・地域を支える同友会づくりで~

重点方針

1.40周年を期にすべての経営者に同友会を伝えます

1)2019年度に800名の滋賀同友会を実現します。
  • 県内全企業に「中小企業家同友会」の名前と存在を知らせる活動を行います。
  • 7,000名の経営者に広報活動で同友会を知らせます。※
  • 各支部・ブロックで2,800名の経営者に同友会を直接知らせ、同友会にお誘いします。
    ※上記②③は各支部で計画・実践を月次で目標の追及を行います
  • 周年事業推進本部を中心に2019年の事業計画及び予算措置を講じます。【40周年事業推進本部・すべての組織】
2)地域や社会の課題解決・要求に応える
  • 第20回障害者問題全国交流会in滋賀開催に向け、意義を深め発信します。【ユニバーサル・共育求人・経営労働】
  • 職場体験学習・インターンシップ、大学とのキャリア教育支援に取り組みます。【共育求人委員会・各支部】
  • 中小企業憲章国会決議や県内市町の中小企業振興基本条例の制定に向けて他団体との連携を強化します。【政策委員会】
  • 中小企業の経営環境を改善するための政策提言を行います。【政策委員会】
3)地域を担う同友会組織と会員企業をめざします
  • 同友会らしい例会づくり(注3)とグループ討論(注4)で会員一人ひとりの経営実践につなげます。【例会・組織活性化委員会】【各支部】
  • 会員の顔と企業が見える関係づくりに努めます。課題別・興味別の研究グループ会の開催や役員・事務局による定期的な訪問活動を実施します。【例会・組織活性化委員会】【各支部】
  • 支部ごとに新入会員のオリエンテーションを開催します。【例会・組織活性化委員会】【各支部】
  • 組織(滋賀同友会)運営と企業づくりを学ぶため、同友会理念の体現、実践をめざすリーダー(理事・支部運営委員等)の育成に取り組み、関西や全国行事に目標を持って参加します。【理事会】【各支部】
  • 事務局活動の承継と強化に取り組みます。【事務局】

2.維持発展し続ける企業づくり

1)経営指針に基づく強靭な企業づくり
  • 労使見解に基づく経営指針づくりと指針経営(注1)の実践を推進します。【経営労働委員会】
  • モデル企業認定制度(滋賀でいちばん大切にしたい会社認定)の認定企業と挑戦企業を増やします。【経営労働委員会・各支部】
  • 21世紀型中小企業づくり(注2)をベースに会員企業づくり報告による問題提起の例会を開催し、会員一人ひとりの実践となる例会や活動づくりを行います。【各支部】【理事会・実行委員会】
2)人が育ち発展し続ける企業づくり
  • 新入社員、中堅社員、幹部社員研修や課題別研修などを会員の要求に基づき開催します。【共育求人委員会】
  • 求人・採用活動通して、共に育つ社風づくり、指針に基づく社内整備で強靭な企業づくりをめざします。【共育求人委員会】
  • 誰もが働きやすく、人が育つ企業づくりの実践と普及【ユニバーサル・経営労働・共育求人】
3)課題別・要求別の学びの場づくりを推進します
  • 中小企業の国際化・海外ビジネスの展開を支援し、経験を交流します。【新産業創造委員会】
  • 青年経営者・後継者の学びの場として、経営指針づくり、経営実務課題の解決の場を設けます。【青年部】
※【 】は主な担当組織をさします
注1)指針経営 「指針経営」=「理念経営」(注)を補強する概念。「経営理念」が「経営」の理念である限り、健全な「経営」と「理念」は不可分と言う考え方から、「経営理念」の成文化と共有・浸透だけに終わらず、自社事業の分析、外部経営環境の調査、自社の成長・発展戦略の立案、その戦略に基づく具体的な行動計画とその実践などを通じて、「経営理念」の実現をめざす。またその戦略、行動計画は「経営理念」に示された考え方や、価値観に沿ったものであるべきなのは言うまでもない。
「理念経営」=経営理念を中心に置いた経営。経営理念で思い描く理想の自社、地域の実現をめざす。そのために、“会社がめざす目的と大切にする価値観=経営理念”を明らかにし、常に理念に立ち返り、理念に基づく業務、行動を実践しようとする。 注2)21世紀型中小企業づくり 第一に、自社の存在意義を改めて問いなおすとともに、社会的使命感に燃えて事業活動を行い、国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準で応えられる企業。
第二に、社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念が確立され、労使が共に育ちあい、高まりあいの意欲に燃え、活力に満ちた豊かな人間集団としての企業。
なお、「21世紀型中小企業」をめざす上で、欠かせないのが、「労使見解」(「中小企業における労使関係の見解」)の学習です。これは、1975年に中同協が発表した文書で、労使の信頼関係こそ企業発展の原動力であるとする企業づくりの基本文書です。
(同友会運動の発展のために第3次改訂版 11ページより抜粋) 注3)同友会らしい例会 「同友会らしい例会」=「同友会の月例会は会員の経営体験の報告とそれを受けてのグループ討論が基本となります。報告者と事前の打ち合わせを十分行うなど例会づくりの準備の過程も学ぶ場になり、例会を充実させます。謙虚に学ぶ姿勢でのぞめば、どんな話からでも学ぶことができます。同時に企業経営で実践するために変革の姿勢で学び続けることが必要です」(同友会運動の発展のために第3次改訂版 15ページより抜粋) 注4)グループ討論 「グループ討論」=「同友会の例会では、報告者は問題提起者です。報告者の話を自分の体験に重ねて聞き、さらに他の人の意見や経験も自らの経験に重ねて聞き、討論することで自社の実践に取り入れることができます。そのために同友会の例会ではグループ討論を重視しています。」(同友会運動の発展のために第3次改訂版 16ページより抜粋)