滋賀県中小企業家同友会新産業創造委員会「ブラックバス有効活用研究会」の第2回研究会が7月28日(火)午前10時から滋賀県立琵琶湖博物館で開催され11名が参加しました。
高瀬博之研究会長から「駆除され焼却処分している命を次の命に繋げるためには“いただく”ことが一番。成果は急がずにどの様な方法があるのか食も楽しみながら研究しましょう」と挨拶があり開会。
このあと、琵琶湖博物館研究部生態系研究領域・主任学芸員の中井克樹氏より琵琶湖の外来魚の現状についてご報告をしていただきました。
中井氏は「外来魚の有効利用が駆除を進めるためのインセンティブになれば良いことです。気を付けないといけないのは、駆除して少なくなったときに外来魚の養殖を主張するような依存型の産業になってはいけないことです。有効活用はそういう危険な面がありますので、賢く活用することが大事です」と前置きしたあと、概要以下の通り沢山のデータと資料映像を使って報告。
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1980年代に外来魚で琵琶湖に大きな変化がありました。平成18年には一晩で2299キロのオオクチバスとブルーギルが水揚げされる漁港があり、この時がピークです。バス、ギルは食材としては大変においしくて、実はブルーギルの方が味はよい。ただし足が速いので、釣ってすぐに冷やしておかないと、腐ってしまいます。
1980年代半ば、琵琶湖はバスだらけでした。1984年から対策が始まりますが、掃討作戦は完敗します。学校給食の食材にして退治しようとしたり、ビワバスと名付けて食材化が進められましたが、1988年頃からなぜかバスが減り始め、安定供給が出来なくなり食材化も頓挫します。
民間でも食材活用の動きはいろいろあったようですが、継続していません。今は県庁の食堂と琵琶湖博物館の食堂でメニューになっているだけです。
オオクチバスが激増することで、琵琶湖の在来種30種のうち15種が消失状況。タナゴやカワバタモロコは全く姿を消しました。水質悪化が原因という意見もありますが、水質は改善したのに姿を消していることからしても、バスの激増が原因であることは否めません。1980年代にオオクチバスが増え、バスが材来魚を食べ、沿岸性の魚が激減させたのです。
その後、1990年代前半はバスとブルーギルの外来2種が琵琶湖を席巻します。
1988年から利用するためにバスの漁獲統計が始まりました。90年代頭から減り始め、94年から95年にバスの漁獲は底を打ちます。しかし、減ったとはいっても、非常に多い状態でした。1994年から95年からあと南湖はブルーギルが激増します。1999年、バス500トン、ギル2500トン、これが県の出した生息数の推定値です。駆除は年間400~500トンで、県漁連が350トン、釣り人が50トンです。生息量はピークの半分になり、捕れにくくなっています今後は捕るためのインセンティブが必要です。
ギルは1960年代半ばに入ってきました。バスは1970年代半ばなのでギルの方が先なのに、それほど問題になっていませんでした。バスが増えて在来魚を食べ尽くしたためにギルが増えたと考えられます。スジエビは1999年から漁獲量が増えています。在来種はスジエビを食べません。食べるのはバスだけです。バスの駆除でエビが増えたという証明です。バスによる捕食が在来種激減の原因であることの証明です。
ノーザンスバスしかいなかったところへ、1990年代にかなりの数のフロリダバスが放流されて交配が進んでいます。DNA分析で解ります。密放流されたのです。いまはコクチバスが密放流で広がっています。このバスは渓流でも生息できます。オオクチバスは川では生息できません。このままでは、渓流の在来種もピンチです。
アメリカではギルは選りすぐりの美味い魚とされています。外雷魚なんて食べて欲しくありませんが、食べられるということも知ることで、捕獲を進めてください。臭いがキツイので、一手間必要。まずヌメリを捕る。ヒレを切り取って熱湯をかければ簡単にウロコもヌメリも捕れます。白身ですが、バスでないと味わえない風味がないので差別化は難しい。付加価値は琵琶湖の環境を守るために食べようということです。
県のスローガンは外来魚ゼロですが、ゼロにするのは無理です。多すぎる状態を一定のバランスまで減らし、それを維持するための技術が必要です。捕獲量1キログラム350円の補助金では限度があります。農業と同じで、作物を育てるためには害虫を駆除しないといけないのです。害虫と違うのは、バスもギルも食べられるということです。バランスが崩れた状態を戻す。その手段として有効利用を研究してください。
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このあと活発な質疑が行われました。
続いて、博物館レストランへ移動。全員「バス天丼」を注文。白身魚の添付なで、言われなければブラックバスとはまったく気がつきません。願わくば「琵琶湖の環境保全に役立っています」というシールかバッチがついていれば納得するお値段かな?
今回は外来魚による琵琶湖の生態系の変化を歴史的に科学的に勉強でき、活用に関してもあくまでもバランスを戻していくために駆除を促進する活用法と産業化が必要であることが明確になりました。
次回の研究会は、高島で会社を旗揚げする「ブラックバス有志の会」イベントに参加します。詳細は後日。お楽しみに。(M・H記)