琵琶湖・淀川水系の水質を守るために~
水環境行動憲章

編集発行

滋賀県中小企業家同友会

京都中小企業家同友会

大阪府中小企業家同友会

監  修

兵庫県中小企業家同友会

國松孝男滋賀県立大学環境科学部教授

南郷洗堰


はじめに

『Think Globally ActLocally地球規模で考え、行動は地域から』 バーバラ・ウォード女史が唱えたとされるこの言葉が、今私たちの考えと一致します。

自然環境と生活環境の保全は私たちみんなの問題として、いま行動することが求められています。

中小企業家として環境を配慮した持続可能な発展をめざす企業活動を行うことはもちろん、従業員、家族も含めた市民としての行動が環境を守るために不可欠であると私たちは考えています。

まず、出来るところから行動を起こし、「志のすべてを実現できないとしても、手の届く範囲でより高いところへ伸ばしていく」姿勢を堅持したいと思います。

「みんなでできることから」をスローガンとするなら他の経営者団体への働きかけはもちろん、琵琶湖・淀川水系の周辺で無数に活動している環境保全団体との連携・交流も可能になります。

この行動憲章もその中で、毎年点検することで広がりと厚みを持ち、内容も洗練され、より高いところへ発展することをめざします。

私たち四府県の中小企業家同友会が琵琶湖・淀川水系の水質保全にとりくむことになった 契機は、1992年6月に大津で開催された西日本地区交流会の政策分科会で琵琶湖の水質汚染が問題になったことからです。

1993年4月から「環境保全に関するアンケート」に取り組み、8月に集計、結果をまとめる議論を深める中で当面水問題に集中することになりました。以来2年余にわたって学習・調査をすすめ、かけがえのない美しい琵琶湖と周囲の山野を次代に引き継ぎ、琵琶湖・ 淀川水系の水質を守るために「環境憲章」をつくることになったものです。

水環境行動憲章

一、中小企業行動憲章

1.工場や会社の回りに木を植えましょう。
2.工場排水は、水質汚染物質を除き、新技術の導入で負荷の削減につとめましょう。
3.節水のための技術を開発し、工場内の水の回収水の利用率(リサイクル率)を高めましょう。
4.地下に廃水が漏水しないように、設備を改善しましょう。
5.持続可能な(自然破壊を必要最小限にした)開発をしましょう。
6.エコ商品の開発・普及・使用に努めましょう。
7.クリーナープロダクション(CP)をおしすすめ、21世紀型中小企業をめざしましょう。
8.環境担当を置き、組織をつくりましょう。
9.環境保全年次計画をたて、毎年点検しましょう。
10.各地での水と自然を守る運動に積極的に参加しましょう。

二、従業員と家族への呼びかけ

1.空き缶やタバコのポイ捨てをやめましょう。
2.合成洗剤の使用をやめ、石鹸を使いましょう。
3.トイレの音消し流しはやめましょう。
4.庭や室内で殺虫剤や除草剤の使用をやめましょう。
5.エコ商品や環境にやさしい商品を買い、 台所の流しにストレーナーや三角コーナーを設置しましょう。
6.車のオイルやワックスなどを下水溝に流さないようにしましょう。
7.お米のとぎ汁や、お風呂の残り湯のリサイクルをしましょう。
8.食用油は使いきるようにし、残った場合は、下水に流さず廃油回収や新聞紙などで 吸い取ってから燃えるゴミとして出しましょう。
9.植物を育て、緑を増やす努力をしましょう。
10.無駄をはぶいた質素な生活を心がけ、環境優先のライフスタイルを確立し、水や自然を守る市民運動に参加しましょう。

三、国・自治体への要望

1.広葉樹の植林と山林従事者への補助を増額すること。
2.水田や池、小河川を守ること。
3.合併浄化槽の普及推進のため、補助を増額すること。 4.コンクリートによる河川工事・護岸工事 を控え、多自然型川づくりを行うこと。5.都市では地下に水が染み込む(透水性のある)舗装工事を行うこと。
6.下水道工事は分流式下水道を採用し、工場排水と生活排水の共同処理は再検討すること。
7.処理場は分散して建設し、処理水を地域の河川に返し、水の循環システムをこわさないようにすること。
8.各団地が持っている集団浄化槽(コミュニティ・プラント)を見直すこと。
9.エコシティの実践と、雨水を溜めて洗車・水洗トイレに使用する設備に補助をすること。
10.ダム建設を再検討し、できるだけ自然を残すこと。
11.農薬や化学肥料の使用を減らす指導・援助を強めること。
12.水環境保全のための技術開発・設備投資への支援をすること。
13.地域開発やリゾート開発が環境破壊を招かないよう、住民参加のアセスメント制度を法制化すること。
14.途上国援助での排水対策は以下の観点で行うこと。
15.渇水時対策の「琵琶湖水位の1.5メートルの水位低下」を見直すこと。
(1)生活用水の確保を最優先すること。
(2)琵琶湖の水位低下を最小限とし、可能な限り下流の取水制限をおこなうこと。
(3)水質保全のため、万全の対策を講ずること。
(4)雨水・排水・地下水の有効利用、工業用水のリサイクル率の向上など、総合的な水資源対策を講じること。

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