リンク集

過去ログ

2010年度以前の記事

滋賀同友会
携帯からも最新の
情報が見られます。

記事一覧

トップ > コラム > 政策委員会

滋賀県議会チーム滋賀との意見交換会を行いました。

 滋賀県議会チーム滋賀県議団との意見交換会が11月20日(日)午前11時30分から12時まで県庁2階第5委員会室で行われ、滋賀同友会からは青木孝守政策委員長・副代表理事、坪田 明新産業創造委員長・副代表理事、廣瀬元行専務理事の3人が参加。チーム滋賀からは柴田智恵美代表と大橋通伸政務調査会長をはじめ所属議員10名に対応をしていただきました。

ファイル 1859-1.jpg

 まず、青木副代表が「2018年度滋賀県に対する中小企業家の要望と提案」の概略を説明。坪田副代表より製造業を中心にした労働力不足の状況が補足で報告され「中小企業の労働力不足を個々の企業努力の問題だけにせず、滋賀県の中小企業活性化条例の定めに則り、中小企業や小規模企業の実態を調査し、業種や規模、地域別に現状打開と中長期的な戦略を策定するように働きかけて欲しい」と要請しました。

ファイル 1859-2.jpg

 チーム滋賀からは、施行5年を経過した中小企業活性化条例が中小企業振興へ具体的にどう結び付いているのか、その課題と今後の在り方を中心に意見交換したいとの要請がありました。
 同友会からは「条例制定論議に加わってきたものとして、一番重視したのは“調査・条例・振興会議”という定石を重視した中小企業振興の推進です。素晴らしい条例は出来ていますが、それに基づいて施策を検討し推進するエンジンが無いのが滋賀の現状です。中小企業支援課も設置され、毎年700社ほどのアンケート調査や100社ほどの企業訪問も行われているようですが、最も大切なことは中小企業家を信頼し、中小企業振興の主人公を生み出すス工夫。条例の5年を総括し、中小企業の活性化は地域の活性化であることを押さえ、中小企業と行政がパートナーとして相互信頼を基にした活性化を進めて欲しい」と提案しました。

ファイル 1859-3.jpg

 同友会の提案した新任教員の初任者研修に一定期間中小企業の職場体験を取り入れることについては、教員の5年・10年目研修で夏休みに1週間の実習を入れる提案の方が実現性があるとアドバイスしていただきました。(M・H記)
 
ファイル 1859-4.jpg

自由民主党滋賀県議会議員団と2018年度政策要望をもとに意見交換を行いました。

 自由民主党滋賀県議員団と滋賀県中小企業家同友会の政策「2018年度滋賀県に対する中小企業家の要望と提案」に基づいた意見交換が11月16日(木)13時から13時30分まで滋賀県庁2階議員室で行われ、滋賀同友会より蔭山孝夫代表理事(滋賀建機(株)会長)、青木孝守副代表理事・政策委員長((株)あぐり進学社長)、永井茂一副代表理事((株)ピアライフ社長)、廣瀬元行滋賀同友会専務理事が参加しました。

ファイル 1856-1.jpg

 自民党県議団からは、家森茂樹団長を含む県議会議員10人と、県内選出の衆参国会議員秘書5人に対応していただきました。


ファイル 1856-2.jpg

 蔭山代表理事は、景況が回復しつつある下で、焦眉の課題が人材不足になっていること。同友会会員310社の調査でも、実に71.3%(221社)が「労働力が足りていない」と回答し、単に人手ではなく技術者や専門職などの人材が不足しているこ。ある製造業では営業担当者の仕事が上手にメーカーの仕事を断ることになっていて、中小企業と地域経済のパフォーマンスが崩れる事態を招いているなど、中小企業の人材不足を、社会的な課題として捉え対策を図らなければ、滋賀の持続可能な発展がないことが強調されました。

 このあと、青木副代表理事・政策委員長が要望と提案の概要を報告。
 永井副代表理事からは、滋賀に魅力ある中小企業を増やすために、中小企業向けの奨学金返還支援制度を設けること。障害者の一般就労を増やすために、従業者数50人以下の障害者雇用の実態調査と経験の普及推進について提案されました。

ファイル 1856-3.jpg

 蔭山代表は、滋賀県の新任教員の初任者研修に3~5日程度の中小企業での就労体験を導入し、中小企業の経済的な役割だけでなく、そこで働くことが世の中にどう役立っているかという社会的役割を学んで欲しいこと、実際に取組んでいる徳島県の教育委員会を通じて、議会としても視察に言って欲しいことが提案されました。

ファイル 1856-4.jpg

 このあと、中小企業向けの奨学金支援制度の実効性について意見交換されました。

(記 M・H)

第16回報道関係者との懇談会を開催~中小企業の人材不足課題を中心に報告と意見交換が行われました~

 滋賀県中小企業家同友会では、以下の位置づけで毎年報道関係者との懇談会を開催しています。
1.国民や地域と共に歩む同友会運動を県内報道機関へPRし、同友会への注目度を高める。
2.報道関係者と「中小企業のことなら同友会に聞けばわかる」という信頼関係をつくる。
3.上記を通じて滋賀同友会の組織強化と拡大を図る。

 第16回目となる懇談会は、2017年11月2日(木)18:30~21:30まで琵琶湖ホテル「さくら」の間で報道関係より7名、滋賀同友会より15名が参加して開催されました。

◯報道関係からご参加の皆様(順不同・敬称略)
1.大原 一城 毎日新聞社 大津支局記者
2.岡本 洋太郎 朝日新聞社 大津総局 記者
3.神山 純一 朝日新聞社 大阪本社経済部 記者
4.川本 修司 読売新聞社 大津支局 記者
5.髙橋 道長 京都新聞社 滋賀本社 記者
6.寺沢 健之 時事通信社 大津支局長
7.水沼 崇 びわ湖放送 報道制作部 次長

◯滋賀県中小企業家同友会からの参加者
1.青木 孝守 (株)あぐり進学 代表取締役 副代表理事・政策委員長
2.青柳 孝幸 (株)PRO-SEED 代表取締役 北近江支部長
3.石川 朋之 (株)HONKI 代表取締役 青年部幹事長
4.井内 良三 (株)タオ 代表取締役 副代表理事・組織活性化委員長
5.蔭山 孝夫 滋賀建機(株) 会長 代表理事
6.川崎 博治 (有)ワークロード 代表取締役 甲賀支部長
7.北野 裕子 (株)エフアイ 代表取締役社長 実行委員長
8.嶋田 裕士 (有)島田家具工芸 代表取締役 東近江支部長
9.田井 勝実 滋賀ビジネスマシン(株) 代表取締役社長 ユニバーサル委員長
10.坪田 明 大津発條(株) 代表取締役社長副 代表理事・新産業創造委員長
11.中野 光一 (株)びわ湖タイル 代表取締役 湖南支部長
12.永井 茂一 (株)ピアライフ 代表取締役 副代表理事
13.水野 透 (株)渡辺工業 代表取締役社長 副代表理事
14.大原 学 滋賀県中小企業家同友会 事務局長
15.廣瀬 元行 滋賀県中小企業家同友会 専務理事

ファイル 1851-1.jpg

 廣瀬元行滋賀同友会専務理事が司会を担当してスタート。
 蔭山孝夫滋賀同友会代表理事は「衆院の解散総選挙と日程がぶつかり、延期しておりました懇談会を開催できて幸いです。同友会では懇談会に向けて毎年特別調査を実施しています。今回も中小企業の労働力不足を中心に310人より回答を得て結果を取り纏めました。この調査結果を通じて、中小企業の人材不足を個別企業努力の課題に済ませず、行政はじめ学校関係者や広く県民生活に関わる社会的な課題として認識していただき、その解決に向けた施策づくりへと結びつけられれば幸いです」と開会の挨拶を行いました。

 つづいて、「第28回滋賀県経営研究集会」のご案内を北野裕子実行委員長((株)エフアイ代表取締役)が、「2018年度 滋賀県に対する中小企業家の要望と提案」の概要説明を青木孝守副代表理事・政策委員長((株)あぐり進学代表取締役)が、「労働力不足と改正労働契約法の実態調査報告」は廣瀬元行滋賀同友会専務理事がそれぞれ担当して行いました。

2018年度政策要望⇒ファイル 1851-2.pdf

 今回調査を行った、中小企業の労働力不足と改正労働契約法に関する結果報告は以下の通りです。

==中小企業の「労働力」不足アンケート結果報告==
                                                     2017年11月2日 
                    滋賀県中小企業家同友会

 滋賀同友会では、8月8日~9月19日会員企業の「労働力不足」と「改正労働契約法への対応」についてアンケート調査を行い、9月20日時点で310社の回答を得ました。以下その傾向や特徴を見てみたいと思います。

調査概要
 調査用紙に記入、あるいはe.doyuシステムにて回答を依頼。310社、平均社員数30名(総数9440名)の回答を得ました。

◯ポイント1.単なる「人手不足」ではない!?
 回答社中、71.3%(221社)が「労働力が足りていない」と答えています。不足している人材の中身(複数回答可)を見てみると、「ラインスタッフ」の15.8%(35/221)に対して「専門職(技術・経理など)」と回答した企業が68.8%(152/221)、さらに記述で営業職等と回答した企業を含むと、今回の調査に関しては実に89.6%(198/221)の企業が、単なる「人手」ではなくスキルや経験を持った「人材」を求めていることがわかります。つまりメディア等で喧伝される「人手不足」という表現は正確とは言えないということです。90%の企業が単なる「人手」ではなく、明確に「経験」「技能」を持った「人材」に困っているということがわかります。
 これは単に表現上の問題だけではなく、行政の支援などの上でも重要なことです。
 人材採用に関する行政支援はほぼ「ハローワーク」に集約されていますが、今回の調査でも「広告」などハローワーク以外にも求人の手段を求めている企業が44%(98/221)に上ります。さらにハローワークでは募集せず、広告のみという企業が21社あります。これは「ハローワーク」では希望する人材が集まらないという現実の反映とみるべきかもしれません。
 「企業は人なり」と言いますが、少子高齢化によりますます労働力人口が減少していく今後、滋賀県の地域中小企業を維持・発展させていくために、経営者団体、行政、ハローワーク、メディアなどが職業安定法の理解のもと協力・協議して有効かつ長期的な対策を講じていく必要があるのではないでしょうか?

例)中小企業で働くことの良さの紹介、新聞紙上などでの中小企業Q&Aコーナー設置、街づくり等との連携、求職者の要望・意識調査、など。

 特に「滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例」は、県の責務として「勤労観および職業観の醸成、職業能力の開発の促進、就業環境の整備その他の方法により、中小企業の事業活動を担う人材の確保および育成を図ること。」と唱っています。7割を超える県内中小企業が悩む「人材不足」の問題についても是非、行政当局の真剣かつ有効な取り組みを期待したいものです。

◯ポイント2.どのように求職者、社員のスキルアップを実現するか
 一方で、「不足」と答えた企業のうち、新卒採用ではなく、中途採用のみで対応しようとしている企業が58.8%(130/221)と過半数に上っています。
 スキルや経験のある人材が枯渇していますから、目先の即戦力を求める中途採用だけで今後も安定的に確保し続けるのは困難と気づかなければなりません。同友会が提唱するように中長期の経営方針に基づき、新卒定時採用を行い、人が定着し、成長する企業づくりを着実に進めていくことの大切さが改めて示されていると言えるのではないでしょうか?また求職者、社員のスキルを継続的に向上させるための行政支援も重要です。有用であっても、制度が複雑、手続きが煩雑とされる「人材開発支援助成」(旧キャリア形成促進助成)などをもっと使いやすくし広くPRすることも大切です。
 なお障害者雇用をしている企業は10社(4.5%)でした。2019年10月に滋賀で開催される「障害者問題全国交流会」の設営を通じて、障害者、高齢者、外国人などユニバーサルな雇用をどのように増やせるのかも課題と言えるでしょう。

◯ポイント3.周知が不十分な「改正労働契約法」
 来年2018年4月1日より「改正労働契約法」が発効します。その最大のポイントは「有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたとき、社員が申込をすることで、期間の定めのない労働契約=無期労働契約に転換できる」(18条)ということです。例えば1年契約で5年以上雇用されてきたパート社員が希望すれば、それ以降は無期契約に変更しなければならないことになります。これは雇用の安定を図るという趣旨で設けられたもので、これを理由に逆に雇止めなどが起こると趣旨に反する(小宮山厚労相・当時)と政府は説明しています。一方で就業規則、給与規定にもよりますが一般的には無期契約化することで、賞与、退職金、各種手当など有期雇用と無期雇用の給与に差がある場合、企業としては人件費の増大という問題が起こります。
 今回のアンケートでは、この「改正労働契約法」の有期雇用契約の制限条項について「知らない」と回答した企業が134社(43.2%)に上りました。違反すると監督署の指導を受ける事もあるだけでなく、急激な雇用の不安定化にもつながりかねませんので、県や市町の迅速かつ入念な周知の努力が求められます。有期労働者が居る企業で「雇止めにする」と回答した企業は1社のみでした。安易に解雇せず雇用を守り続けようとする姿勢が大勢を占めているのは、さすが同友会企業と言えるでしょう。しかし、「検討中」「わからない」と回答した企業が53.7%(51/95社)あります。同友会としても、支部例会などで、また当アンケートを通じて、周知・議論していく必要があるようです。
 また各メディアも是非この問題を取り上げていただき、「どうあるべきなのか」「雇用の不安定化につながる危険はないのか」「あればどのように防ぐのか」等、切り込んでいただければと思います。

ファイル 1851-3.jpg

 同友会からの活動と情報提供のあと、意見交換が行われました。
 記者からの「中小企業の労働力不足の実態について具体的には?」との質問には、下請け中小製造業や建設関連工事業では、人材はもちろんだが人手も相当不足していること。そのために、外国人労働者を受入れなければ現場が成り立たなくなっているという実態が紹介されました。

 またある企業では、従業員の半数ほどが外国人(就労ビザによる社員と技能実習生)で、幹部候補技術者として2年連続ベトナムハノイの工業大学より学卒者を採用していることや、定着して幹部に育ってもらうために必要な制度面の改善(例えば就労ビザを持つ外国人社員が結婚した場合、配偶者は就労ビザが取れないため共働きが出来ないことを緩和する等)についても報告されました。

ファイル 1851-4.jpg

 加えて、現場で働く外国人の多くは残業してでも賃金を得たい思いが強く、政府主導の働き方改革で生産性の向上と残業の削減が提唱されても、中小企業で働く人々の思いはそう簡単ではないことも強調されました。

 中小製造業が付加価値を高めるためには、日本だけにあるコストダウンという商慣行を無くす(既にある大手機械メーカーはコストダウンの廃止を決め通達していますので)など、下請取引関係を政策的にも改善する必要があるとなど、リアルな実態も報告されました。

ファイル 1851-5.jpg

 意見交換のあとは懇親会。
 寺沢健之時事通信社大津支局長より乾杯のご発声をいただき、参加役員の事業PRも活発に行われました。
 最後に、井内良三滋賀同友会副代表理事より「今日を始まりとして同友会と中小企業の情報発信を進め、2019年の創立40周年に向けて県内に中小企業家同友会運動と良い企業づくりを広めましょう」と閉会挨拶が行われ終了いたしました。(M・H記)

「労働力不足」「改正労働契約法」アンケート結果(速報)

                         2017年9月26日

 滋賀県中小企業家同友会
 会員の皆さんへ

                     滋賀県中小企業家同友会
                     代表理事  蔭山孝夫
                     政策委員長 青木孝守

報道関係者との懇談会開催に向けた
     「労働力不足」「改正労働契約法」アンケート結果(速報)

 時下、皆様にはますますご清祥のことと存じ、お慶びを申し上げます。
 さて、8月8日~9月19日に実施いたしました標題アンケートにご協力をいただき、誠に有り難うございました。
 おかげさまで、回答数は理事会で目標とした300社を上回り、310社より得ることが出来ました。重ねてお礼を申し上げます。
 ご回答いただいた内容を取り纏め、速報として裏面に記載いたしますので、ご活用いただけましたら幸いです。
  
報道懇談会は
1)滋賀県の中小企業の現状の紹介
2)行政の政策への反映
3)同友会の対外的PRの機会
として重要な取組みで、16年前から毎年継続して行っております。(今回は開催日が臨時国会での冒頭解散と重なることが濃厚となり、当初の開催日を延期することになりました)

 滋賀県の中小企業の実態を調査し報道関係者に伝えることは、上記の目的を進めるために最も重要な取組みであることに加え、滋賀同友会の運動(例会での学び合うテーマや委員会活動の重点など)に必要なデータを提供し、アンケートを契機にした会員訪問や呼びかけを通じて、会員同士、会外経営者とのコミュニケーションの活発化などが進み、組織の拡大と強化にも繋がります。

 アベノミクスから5年。戦後最長の景気回復と言われますが、地域の人々や中小企業にとってその実感は乏しく、内需を支える中間所得世帯の減少・低所得世帯の拡大など、国民や地域と共に歩む私たち中小企業にとっては依然として厳しく予断を許さない状況が続いています。
このような情勢下で、中小企業に現状をリアルに掴み、発表し、行政施策への反映や市民に滋賀同友会運動への理解を広げ、仲間を増やすために、今後もアンケート調査へのご協力を、宜しくお願いいたします。

ファイル 1835-1.jpg

ファイル 1835-2.pdf

ファイル 1835-3.jpg

ファイル 1835-4.pdf


「労働力不足」アンケート(速報)
          
                     2017年9月25日 
                     滋賀県中小企業家同友会

 滋賀同友会では、8月8日~9月19日にかけて会員企業の「労働力不足」と「改正労働契約法への対応」についてアンケート調査を行い、310社の回答を得ました。以下その傾向や特徴を見てみたいと思います。

調査概要

調査用紙に記入、あるいはe.doyuシステムにて回答を依頼。310社、平均社員数30名(総数9440名)の回答を得ました。

ポイント1.やはり強い「労働力不足」感

 回答社中、71.3%(221社)が「労働力が足りていない」と答えています。中小機構の調査(5月)では74%の企業が「不足」と回答していますので、引き続き中小企業にとって大きな問題であると言えそうです。また業種別に傾向を見ると、飲食業92.3%(12/13)運送業88.9%(8/9)建設業78.4%(29/37)、製造業78.1%(50/64)医療福祉71.4%(15/21)卸小売業56%(32/57)と、やはり飲食業、運送業を筆頭に、ほとんどの職種で「労働力」不足が深刻な問題であることがわかります。

 労働力確保の課題や対策は業種・業態・規模などによっても異なると思われますので、さらに多くのデータに基づく分析が求められます。
 滋賀県の中小企業活性化条例には、県の責務として「勤労観および職業観の醸成、職業能力の開発の促進、就業環境の整備その他の方法により、中小企業の事業活動を担う人材の確保および育成を図ること。」とあります。7割を超える県内中小企業が悩む「労働力不足」の問題についても是非、行政当局の真剣かつ有効な取り組みを期待したいものです。

ポイント2.実は単なる「人手不足」ではなく、「人財」の確保と育成が急務

 不足している人材の中身(複数回答可)を見てみると、「ラインスタッフ」の15.8%(35/221)に対して「専門職(技術・経理など)」と回答した企業が68.8%(152/221)、さらに記述で営業職等と回答した企業を含むと、実に89.6%(198/221)の企業が、単なる「人手」ではなくスキルや経験を持った人材を求めていることがわかります。この点も中小企業支援策の立案・実施に当たって考慮すべきポイントと言えます。「後継者」がいないと回答した企業は8.6%(19/221)と、事業の承継に関しては多くの同友会企業が着実に取り組んでいる姿が見えます。この点に関しては回答企業の経営者の年齢が比較的若いことも原因かもしれません。

 一方で、「不足」と答えた企業のうち、新卒採用ではなく、中途採用のみで対応しようとしている企業が58.8%(130/221)と過半数に上っています。スキルや経験のある人材が枯渇していますから、目先の即戦力を求める中途採用だけで今後も安定的に確保し続けるのは困難と気づかなければなりません。同友会が提唱するように中長期の経営方針に基づき、新卒定時採用を行い、人が定着し、成長する企業づくりを着実に進めていくことの大切さが改めて示されていると言えるのではないでしょうか?なお障害者雇用をしている企業は10社(4.5%)でした。2019年10月に滋賀で開催される「障害者問題全国交流会」の設営を通じて、障害者、高齢者、外国人などユニバーサルな雇用をどのように増やせるのかも課題と言えるでしょう。

ポイント3.周知が不十分な「改正労働契約法」

 2018年4月に実質発効する「改正労働契約法」の有期雇用契約の制限条項について「知らない」と回答した企業が134社(43.2%)がありました。違反すると監督署の指導を受ける事もありますので、県や市町の迅速かつ入念な周知の努力が求められます。有期労働者が居る企業で「雇止めにする」と回答した企業は1社のみでした。安易に解雇せず雇用を守り続けようとする姿勢が大勢を占めているのは、さすが同友会企業と言えるでしょう。しかし、「検討中」「わからない」と回答した企業が53.7%(51/95社)あります。同友会としても、支部例会などで、また当アンケートを通じて、周知・議論していく必要があるようです。

2017年度 滋賀県への要望書 を掲載しました。

2017年度 滋賀県への要望書 を掲載しました。

http://www.shiga.doyu.jp/request/

滋賀県議会チーム滋賀県議団との意見交換会を行いました。

 滋賀県中小企業家同友会(以下同友会という)と滋賀県議会チーム滋賀県議団との意見交換会が11月4日(金)10時30分から11時まで滋賀県庁第5委員会室で行われました。
 同友会より蔭山孝夫代表理事、永井茂一副代表理事、石川朋之理事・青年部幹事長、廣瀬元行専務理事が滋賀県議会を訪問し、チーム滋賀県議団より10名に対応していただきました。
ファイル 1686-1.jpg
 参加者自己紹介の後、蔭山代表理事は「平成22年6月に当時の民主党政権下で中小企業憲章が閣議決定され、滋賀県でも中小企業の活性化を推進する条例が制定されました。同友会と共にこの取り組みを進めていただき、勉強も熱心にして頂いた皆さんには本当に頭が下がる思いです。同友会は予算要求団体ではありませんので、滋賀県経済の活性化を担う良い企業づくりと中小企業が自律的に発展する経営環境づくりにっむけて提言をまとめております。行政、議会の皆さんも、共に推進していただきたいと願っています」と挨拶。

 廣瀬専務理事は、2017年度の県に対する要望と提案の重点を紹介。
 永井副代表は大津市の中小企業振興に関する円卓会議の構成員に中小企業の経営者が一人も入っていないことに疑問を投げかけながら、中小企業の声を集約し主人公を増やして行く視点で中小企業と地域経済の活性化を考えて欲しいと強調。
ファイル 1686-2.jpg
 石川青年部幹事長は、中小企業の後継者問題に触れながら、地域経済の持続的な発展を担うのは若者であり、青年経営者も含めた地域での若者育成に力を注いで欲しいことを伝えました。

 蔭山代表理事からは、同友会が取り組む障がい者をはじめとした就労困難と言われる人への就労支援活動や、新卒者の採用・求人(共同求人活動)と社員共育の取り組みが紹介されました。
ファイル 1686-3.jpg
 議員の方からは、新任教員の初任者研修で中小企業でのインターンシップを行う必要性が問われ、教員になる大半の人が中小企業の経営や役割について正しい認識を持っていないいと思われること、働くことと学ぶこと、地域社会をより良くすることを串刺しにして理解するには、中小企業がどんな理念を持ち社会に役立っているのかを最初に体験していただく必要があると説明。TPPに対する見解では、中小企業への直接的な影響が説明不足であり、経済のグローバル化が進む中ではやむないという側面と、ルールをなくし何でも市場競争で進めるやり方には懸念を持つという考えをお伝えしました。
(M・H記)

松山市・東温市「中小企業振興基本条例」制定と推進に学ぶ視察研修会②

○会員企業訪問②

と き:2016年2月10日(水)09:00~11:00
ところ:義農味噌株式会社
司 会:大北雅浩氏 愛媛県中小企業家同友会 事務局員
報告者:田中正志氏 愛媛同友会代表理事 義農味噌株式会社 代表取締役

 田中氏は愛媛同友会の経営指針成文化セミナーへ参加され、「何のために経営をするのか」を考え続け、その先にある「私は何のために生きているのか」「使命は何か」と深堀をし、引け目を感じていた麦味噌に対する思いが180度転換。麦味噌文化を伝承発展させる理念を成文化し経営の軸を定め、商品開発と外部発信に取り組まれます。
 しかし、その後も他社の物まねや田中氏の思いつきで商品づくりを繰り返します。結果として、社員はまったく本気にならず、販売も進まずもがき続けます。同友会の鎌田専務から「社員の声を聴いて開発しては」とアドバイスを受け、平成14年から開発会議を夜に手弁当で10人ほど集まりスタートしますが、当然アイディアがでません。

ファイル 1632-1.jpg

 とりあえず物まねからやろうと「伊予さつま汁」を6ヶ月かけて開発するも、売れません。「皆でつくった商品、売れないでどうする」と言うことになり、お客さんに知ってもらうために、店頭販売を二人1ペアで行いました。すると「これはお婆ちゃんの味や」「ありがとう」とお客さんからお褒めの言葉をいただき、社員も自信を持つように。この店頭販売がもとで、売れ始めるようになったそうです。ちょうど地産地消の風も吹き、今ではブランド力のある相手先の素材を使った商品もつくっています。

 実は、日本の半分の人は味噌を食べていないとか。であれば、義農味噌で残り半分の人に対して麦味噌を食べてもらえる条件をつくれば、麦味噌文化が日本中に広まるという考えで、味噌造りと発信に取り組んでおられます。

 愛媛の食文化を日本に発信・展開するようなステキな企業づくりを実践し、同友会では共同求人活動にも取り組んで、地域に若者を残すために良い企業づくりを推進される田中氏。この様な方がリーダーだからこそ、条例運動も前進するのだと思いました。

ファイル 1632-2.jpg

○愛媛大学訪問

と き:2016年2月10日(水)14:00~16:00
ところ:愛媛大学 愛媛大学ミュージアム
司 会:大北雅浩氏 愛媛県中小企業家同友会 事務局員
案内・報告者:和田寿博氏 愛媛大学法文学部教授

 和田教授より愛媛大学の学術研究成果を地域に公開・発信する場としてつくられた愛媛大学ミュージアムを見学したあと、以下の通り概要ご報告を頂きました。

ファイル 1632-3.jpg

 大学の教員は①「教育」②「研究」③「社会貢献」④「管理運営」の機能を果たしています。和田教授は「同友会と理念が一致する」ので、そのすべての点で同友会とお付き合いをされています。そして、この付き合いの上に、人間関係で結ばれていると言われます。条例では、行政職員も一生懸命になっていますが、同友会の人が行政職員を育てているとも言われます。その力は「科学と情熱と“なんとかなせなあかん”と言う思い」だそうです。

 つまり、「機能」と「理念」と「人間関係」で同友会運動と結びついていると言うことでした。

 条例は東温市で3年目、松山では2年目の取り組みで、和田教授はその二つの円卓会議に関わっておられます。変わったところは「中小企業は真ん中の存在や」と言うことで、中小企業に自信がついてきたこと。同友会始め全国から市へ視察に来られることで、市の職員さんも自信を高めているそうです。東温市と松山市で取り組んだ逆商談会など、行政の枠を超えた連携は特筆した取り組みだと強調されました。

 条例は法であり、そこに財務の位置づけをすることが重要。中小企業振興は新しい独自の課題であり、中小企業家、議員、行政も一体となって勉強して取り組まないと進まないとも。

ファイル 1632-4.jpg

 最後に、円卓会議の座長として一番気を配っていることは、構成する委員相互のコミュニケーション。「忘年会などの飲みニケーションの調整も重要」だと纏められました。

◯寄稿
 中小企業、行政、大学が連携した地域づくり
―2016年2月、松山市・東温市への訪問を通じてー

 立命館大学経済学部教授 松野周治

 2016年2月8日(月)~10日(水)、松山市および東温市を訪れ、中小企業、行政、大学が連携した地域づくりの先進的取り組みを学んだ。8日は、鈴木茂・松山大学教授の研究室を訪問、同教授及び小淵港・愛媛大学名誉教授から、愛媛の地域経済、並びに、松山大学と内子町の連携講座(鈴木教授担当)、愛媛大学の新学部など、教育研究を通じた地域連携について話を伺った。9日および10日は、奈良県中小企業家同友会が企画した「松山市・東温市『中小企業振興基本条例』制定と推進に学ぶ視察研修会」に参加した。
 立命館経済学部は昨年、滋賀県中小企業家同友会と教育、研究分野における協力協定を締結した。協力の具体化の一つとして、2016年度より「キャリアデザイン」(1回生受講、2単位)および「地域調査実習」(2回生以上受講、同)は、同協定を基礎に開講される。新担当者として両科目を準備する中で、滋賀県中小企業家同友会廣瀬専務理事から「松山・東温視察研修会」の案内を受け、同理事とともに、参加することとなった。

 8日、本隊より一日早く出発し、新幹線と特急を乗り継いで松山へ入った。岡山から瀬戸大橋を渡り、丸亀、観音寺、新居浜、西条、今治と「しおかぜ」7号は進んだが、車窓を流れる街並からは、地域経済と社会基盤構築の歴史が感じられた。穏やかで島が多い瀬戸内海は、中国と四国、九州と近畿、中国と朝鮮の物産と情報が行き交うことを可能にし、「両岸」地域を発展させてきたことに思い至ったが、鈴木、小淵両教授から愛媛県各地域の歴史と現状を聞くなかで、その考えはより強固なものとなった。
 9日と10日は、そうした基盤の上で東温市および松山市において展開されている、中小企業振興を通じた、より高いレベルの地域づくりについて、企業家、行政担当者、大学教員からお話を聞き、見学させていただいた。
昨年来の滋賀県同友会との協議の中で、中小企業憲章(2010年6月閣議)を知り、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」という憲章冒頭を踏まえて講義概要を執筆したものの、振興条例とその制定過程については、今回の視察研修に参加して初めて学んだ。東温市中小零細企業振興基本条例(2013年3月)および松山市中小企業振興条例(2014年3月)の特徴は、制定にあたって中小企業家同友会が大きな役割を果たしていること、調査・条例・円卓会議という「3つの定石」(植田浩史・慶應大学教授)を踏まえていることである。
 東温市(人口3.4万)の条例は、地域の将来に対する漠然とした不安を持っていた同友会支部役員(正副支部長と幹事長)、同友会事務局長、市役所課長補佐の5人によって始まり、1年間にわたる徹底した学習の後、実態調査、条文精査を経て制定された。調査結果に基づき、条例のタイトルに「零細」が加わったこと、愛媛大学との連携(条例検討委員会委員長や円卓会議議長への教員就任、市に立地する医学部および附属病院と協力したヘルスケア産業やものづくり産業の創生、など)が印象に残った。松山市(人口51.7万)でも企業実態調査から始まり、条例が制定されている。その特徴は、「経営に意欲のある」企業を支援すること、振興に向けた中小企業、中小企業関係団体、金融機関、学校、市民、行政、それぞれの役割、支援に必要な財政上の措置を規定したことなどである。
 両条例ともに、制定と実施に対して、井藤正信教授、和田寿博教授をはじめとする愛媛大学の教員が大きく関わっている。その背景には、2007年度から続く愛媛大学法文学部「愛媛県中小企業家同友会提供講座・現代中小企業論」の開講(第9期・2015年度のサブタイトルは「私の人生(キャリア)設計、その意味と価値~なぜこの道を選んだのか~」)や学生のインターンシップなど、長期にわたる同友会と愛媛大学との連携がある。本年4月、愛媛大学は「社会共創学部」を開設するが、地域社会との連携を通じて地域づくりを担う人材を育成する同学部に対して鎌田哲雄専務理事をはじめとする同友会は大きく関わっている。
 中小企業家同友会は会員企業の「経営理念」とそれに基づく「経営指針」づくりを重視している。田中正志代表理事が代表取締役を務める「義農味噌(株)」は、愛媛の麦みそ文化の伝承・発展を経営理念の第一にあげていた。米田順哉副専務理事が理事長を務める「NPO法人家族支援フォーラム」は障がい者のライフサイクル支援を理念に、障がい者を子どもや兄弟姉妹に持つ家族が立ち上げた法人であった。地域のいわば「経営理念」である中小企業振興条例づくりに同友会が大きな役割を果たすことができる理由である(東温市研修会における藤岡貞雄支部長の発言)。
 ただし、条例の制定、並びに、それ以上に重要な理念の具体化、すなわち、中小企業振興を通じた新たな水準の地域づくりを実現するためには、関わる人間の情熱、および戦略に基づいた行動が必要である(鎌田哲雄専務理事)。中小企業家、行政の担当者、大学教員一人一人の強い意志と優れた実践が求められている。
 今回の視察研修団には、奈良県広陵町の同友会メンバーと商工会会長が町役場の担当者とともに参加しており、県下の市町村で最初の振興基本条例の制定に向けた活動が始まる。他方、滋賀では、県で中小企業活性化推進条例、栗東市で中小企業振興基本条例がいずれも2012年に制定され、県には「活性化推進審議会」が設置されている(年3回開催)。ただ、関係者の連携による中小企業振興、それを通じた地域づくりに向けてなすべきことはまだまだ多くあるように思われる。県同友会を軸に、草津市、大津市の協力をえて立命館大学で開講する連携講座(15回中11回で中小企業代表者が講義)を、愛媛大学の経験に学びながら充実したものにすること、それが、今回の視察研修参加した自分自身にとって、当面の課題である。
 最後に、視察研修を企画した平山雅英代表理事、伊藤事務局長をはじめとする奈良県同友会の皆さん、参加のきっかけを作っていただいた滋賀県同友会廣瀬専務理事、そして何よりも現地で受け入れ、充実した研修プログラムを手配いただいた田中代表理事、鎌田専務理事、米田副専務理事、大北事務局員をはじめとする愛媛同友会の皆さんに心から感謝する。なお、経済学部からの小生の派遣については、松本朗学部長にお世話になった。(3月20日脱稿)


○最後に

 奈良同友会の企画に便乗する形で、現地でしっかりと勉強したいと思っていた東温市と松山市の視察に参加することが出来ました。
まずは、押しかけ参加を快く受け入れてくださった奈良同友会の平山代表理事さんをはじめとした役員の皆さん、二日間とてつもなくハードなスケジュールの研修を企画した伊藤事務局長さんにお礼申し上げます。また、その様なハードスケジュールに、朝から夜までご対応をして下さった愛媛同友会事務局員の大北さん、病気療養中にもかかわらず、報告や案内にお付き合いを頂いた鎌田専務理事さん、何から何まで、有り難うございました。

 視察の先々にてご報告を頂きました皆様にも、この場をおかりして心からお礼を申し上げます。

 愛媛同友会が植田浩史慶應義塾大学経済学部教授の提唱する定石(調査・条例・円卓会議)をもとにした条例の制定と推進運動に取り組んでいることは、全国的にも注目され周知のことだと思います。今回の視察を終えて、おそらく西日本で同友会が関わった条例制定の取り組みでは、今日的には最も典型的なものだと、再確認することが出来ました。その中心を担っているのが、プロデュース機能を全権委任で果たしている事務局と担当役員さんであると言うことも、おそらく先進的だと思います。

 東温市でも松山市でも感じたことは、行政職員の方の思いが強いと言うことです。では初めからその様に思いが強かったのか?という問いが生まれますが、お話しにあったように、同友会の中心メンバーの情熱としっかりとした学習に支えられた確信が、その思いを担保しているのだと理解しました。

 実践を伴わない上辺の言葉は人の心を揺さぶらないと思います。同友会運動で「良い会社・良い経営得社・良い経営環境」を「自主・民主・連帯の精神」で推進し「国民や地域と共に歩む中小企業づくり」という同友会理念をぶれないで実践していること。その「現物」としての地域になくてはならない企業づくりが「見える化」されていること。自社の理念の実現が地域づくりであり条例運動の推進であると確信を持って言い切られる役員さんがちゃんといらっしゃるなど、現場に行かなければ
感じることが出来ない貴重な勉強をさせていただきました。

 私たちに求められていることは、この地域の「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」を担う確かな未来を創り上げること。それを中小企業の発展を通じて実現していくことです。そのために、どのようなフレームワークで同友会運動を推進していくのか、戦略と戦術が求められています。愛媛では、そこに加えて豊で確かな人間関係の構築が必要であることを知りました。

ファイル 1632-5.jpg

 人とひととの豊かな人間関係。多様で魅力ある人々が繋がり、この地域を元気にするために気張らず・急かず・あきらめないで自分の持つ力を発揮する人々の関係づくりが必要だと。その中心的な担い手は、同友会に結集し、研さんする私たち中小企業家であり、事務局集団であると。このレポートが、そういう繋がりを構築していくために、ちょっとしたきっかけづくりに役立つこと、参加したメンバーが地域に帰って具体的に足を踏み出す(まず方針を持つ)ことにつながることを願います。文章の責任はすべて私にあります。密度の濃い研修を充分に伝え切れず、表現も不充分であることをお許し下さい。

2016年 2月29日
滋賀県中小企業家同友会
専務理事 廣瀬元行


※中小企業の活力を引き出す条件と環境を整備し、滋賀県経済の自主的・平和的な発展をめざして、中小企業振興に取り組んでいこうとしています。
 その主人公は、中小企業経営者です。
 同友会の3つの目的「良い会社・良い経営者・良い経営環境を目指す」ことにご賛同いただける中小企業経営者を募集しています。
 滋賀県中小企業家同友会で、企業づくりと地域づくりを共に進めませんか?
 ご入会のお問い合わせは滋賀県中小企業家同友会事務局までご一報ください。

 TEL 077(561)5333
 FAX 077(561)5334
 メール jimu@shiga.doyu.jp

松山市・東温市「中小企業振興基本条例」制定と推進に学ぶ視察研修会①

 松山市・東温市「中小企業振興基本条例」制定と推進に学ぶ視察研修会が以下のスケジュールで開催されました。

◆実施期間:2016年2月9日(火)~2月10日(水)
◆視察同友会:奈良県中小企業家同友会・滋賀県中小企業家同友会
◆受け入れ担当:愛媛県中小企業家同友会

<視察目的>
「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた」
 これは、2010年6月に閣議決定された「中小企業憲章」の冒頭の文章です。
 中小企業が「社会の主役」という位置付けのもとで、今後の諸政策が実現されることが求められるとともに、中小企業がその期待に応えるよう努力することも必要です。
 昨年9月に引き続き、奈良同友会の条例視察を受け入れます。今回は滋賀同友会も合同で参加します。
 今回の視察は、愛媛同友会の条例運動の特徴を学ぶのが目的です。愛媛同友会の条例運動の特徴とは、①3つの「定石」(実態調査、条例、円卓会議などの推進機関)で進めていること、②同友会がプロデュース機能を担っているということ、③「人を生かす経営」の総合実践、④産学官連携のプラットフォーム(基盤機能)の役割を同友会が担っていること、⑤条例は地域における経営指針であると定義づけていること―です。

◆2月9日(火)
 10:00 東温市商工会会議室にて東温市との懇談会(100分)
 11:45 東温市役所出発

 12:15 昼食:活うどん いってつ庵(松山市久米窪田町384-3)
 13:00 出発

 13:30 会員企業訪問・米田順哉 副専務理事と懇談(40分):ゆるり茶屋 夢家
     (愛媛県庁第1別館 地下、NPO法人家族支援フォーラムが運営)
 14:10 松山城界隈を見学(みかんジュース、今治タオル、東雲かまぼこ)
 15:20 出発

 15:30 まつやま経営交流プラザ会議室にて松山市との懇談会(120分)
 17:40 出発

 18:00 道後ホテル八千代(松山市道後多幸町6-34、愛媛同友会会員)チェックイン
 18:40 道後ホテル八千代にて懇親会(120分)
 20:40 懇親会終了 第1日目終了

◆2月10日(水)
  9:00 会員企業訪問・田中正志代表理事と懇談(120分):義農味噌株式会社
 11:00 出発

 12:00 昼食:カフェ 道後の町屋(松山市道後湯之町14-26、愛媛同友会会員)
 13:30 出発

 14:00 愛媛大学訪問・和田寿博 教授と懇談・愛媛大学ミュージアム見学(120分)
 16:00 愛媛大学出発

 16:30 夕食:郷土料理 五志喜(松山市三番町3-5-4、愛媛同友会会員)
 18:00 会員企業飲食店出発
 18:40 松山空港着
 解散 お疲れさまでした。皆さん、学びをいかして条例制定を軸にした地域振興、それを担う良い企業集団=同友会づくりに取り組みましょう!

《参加メンバー》
奈良同友会
No.名前企業名役職会内役職
1 平山 雅英 大和化学工業株式会社 代表取締役会長 代表理事
2 佐野 元洋 かなえ経営㈱ 代表取締役 副代表理事
3 中西 啓二 ㈱中西運送 代表取締役社長理事・北和支部長・広報情報化委員会委員長・政策委員
4 遠藤 俊介 大倭殖産株式会社 常務取締役 北和支部幹事・政策委員
5 中野 愛一郎 ㈱イベント トェンティ・ワン 代表取締役社長 理事・青年部会幹事長
6 小林 寛樹 ㈱ファーマシー木のうた 専務取締役 青年部会副幹事長
7 西村 博史 西村博史会計事務所 所長 理事・政策委員長
行政
8 吉田 英史 広陵町 課長 企画部 まちづくり推進課
9 坪水 裕子 広陵町 課長補佐 地域振興課
経営者団体
10 東 洋一 広陵町商工会 会長 広陵化学工業株式会社・代表取締役会長
教育関係
11 松野 周治 立命館大学経済学部 教授
奈良県中小企業家同友会
12 伊藤 真理 奈良県中小企業家同友会 事務局長 理事
滋賀県中小企業家同友会
13 廣瀬 元行 滋賀県中小企業家同友会 専務理事 専務理事

○東温市「中小零細企業振興基本条例」懇談会

と き:2016年2月9日(火)10:00~11:40
ところ:東温市商工会館3階会議室
司 会:大北雅浩氏 愛媛県中小企業家同友会 事務局員
報告者:山本健吾氏 東温市産業創出課 課長補佐
    藤岡貞雄氏 愛媛県中小企業家同友会 理事・東温支部長 憲章・条例委員長
    米田順哉氏 愛媛県中小企業家同友会 副専務理事 NPO法人家族支援フォーラム理事長)

ファイル 1631-1.jpg

1.山本健吾氏(東温市産業創出課 課長補佐)の報告概要
 報告資料・・別紙
 東温市の概要:平成16年9月21日に重信町と川内町の合併により誕生。松山市の近郊田園都市として発展。愛媛大学医学部と国立療養所があります。人口34,037人。

《条例制定のきっかけ》

 当初、市は条例づくりにはあまり積極的ではありませんでしたが、愛媛同友会東温支部総会へ市長と市の幹部が参加し、植田浩史氏(慶應義塾大学経済学部教授)の講演を聞いたことがきっかけとなり、条例づくりが加速しました。東温支部例会や視察による先進地事例の学習を重ね、調査と条例、円卓会議の設置という定石での条例制定と推進の方針を確認しました。

《調査活動と円卓会議》

 そして、平成23年9月に愛媛同友会が受託して、緊急雇用創出事業を使い中小企業の実態調査を実施。1,300事業所を訪問して75%の回収を得ます。
 この調査結果をもとに円卓会議を設置(委員長 井藤正信 愛媛大学教授 副委員長 和田寿博 愛媛大学教授)して、様々な施策を展開しています。
 通常は市が開催する会議は年3回までが上限のところ、円卓会議は年5回の開催を目標にしています。
 会議を重ねる中で、今年に入ってから委員さんの意見が活発に出るようになりました。これは、円卓会議に設置された4つの小委員会が活発に動いている結果です。
 平成27年8月の中小零細企業財政支援委員会では、小規模企業の資金繰りを支援するために制度融資の手続き簡素化が提言され、取り組まれています。
 条例ができたことによって、中味濃く中小企業振興が出来ています。

《広域連携による事業》

 平成27年度には5つの事業が行われました。
 とりわけ、中小零細企業販路拡大支援マッチング事業では、東温市と松山市が一緒になってバイヤーを迎えた逆商談会を開催するという、広域連携の事業として特徴的でした。
 また、愛媛大学医学部を中心にした医療器具の開発や、ヘルシーツーリズムが開催できないか検討中です。医療機器の開発は中小企業にとってハードルが高いので、改良とか介護機器の開発や、自然を生かしたハイキングなどで健康を調査し、ヘルシーな食事を提供(レシピは大学がつくり食事は中小企業がつくる)するなど、大学の知見と中小企業の仕事が結びつきやすい事業をつくることが目標です。

《5年に一度調査活動を行うわけ》

 条例を制定する前に実態調査をして、5年が経ちました。
 その後、どのように変化したのかを再調査する事業を平成28年度に市の事業として予算化しました。結果として政府の地方創生の補正予算を使えることになり、再調査を行ってもう一歩踏み込んだ施策づくりに繋げる予定です。市としては5年に一度調査活動を行い、調査項目と分析のノウハウを蓄積して、東温市が全国の調査活動の基準となることを目指しています。
 この様な覚悟があるからこそ、税金を使うことが出来るのです。

《条例の特徴と推進力》

 条例の前文にある「キラリと光る、住んでみたい、住んで良かったまち『とうおん』」という文言が、市の総合計画にも使われています。これは市の総合計画の基本構想と条例が同じ方向を向いていると言うことです。このことは、市が中小企業振興にかける強い思いを表しています。
 「中小零細企業振興基本条例」と「零細」という表現を入れているのは、5人以下の事業所が数として多いという実体と、その層が地域経済を支えているという認識かららです。
学校の役割を明記したことで円卓会議に「キャリア教育小委員会」が設置されました。
行政主導ではなく、円卓会議の中から「やりたい」という声が上がり、円卓会議で「ではやりましょう」です。行政が「あれをやろう」「これをやろう」と言うことではありません。

2.藤岡貞雄氏(愛媛同友会 理事・東温支部長 憲章・条例委員長)の報告概要

 条例をつくる方針を持ったのは5年前です。愛媛県には山間や過疎の町がある中で、東温市は恵まれた環境です。しがし「このままでは駄目だ」という漫然とした不安感があり、この不安感を無くしたいというのが条例づくりの動機です。
 愛媛同友会東温支部の正副支部長・幹事長3人と、同友会の事務局長、市の山本課長さん(当時 課長補佐)が中心になって条例づくりをスタート。その後、市長さんが積極的になっていただき、条例をつくることが出来ました。
 本当は組織としてボリュームのある商工会が動くことが望ましかったのですが、残念ながらそこには条例をつくるノウハウがありませんでした。同友会は経営指針づくりに取り組んでいますので、地域の中でのわが社の成り立ち・役割、地域が良くならなければわが社が良くならないと言う関係が分かるので、地域の経営指針でもある条例づくりに入りやすいのです。
 市では条文づくりにものすごいチェックが入り、20回を超える検討委員会が行われ、腰折れしそうにもなりましたが、大学の先生がサポートしてくれました。
 大学の先生と日常的にお付き合いすることで、同友会理念を理解されている先生がいたことは力になりました。
条例が出来て円卓会議が始まりますが、当初はなかなか意見が出てきませんでした。条例づくりを進める過程に多くの参加を得て「条例をつくってみんなで良くしていくのだ」という思いを共有することが大切です。市からも国の予算を使って事業の提案がありますが、上から降りてくる提案は我々にピタッと来るかというと、そうでもありません。
 円卓会議ではかしこまってなかなか意見が出ないので、昨年の夏に「とうおんまちづくり工房」という任意団体を立ち上げました。15~6人が月に1回例会をやって、いろいろと意見を交わしています。この組織をNPOにして、地方創生の予算の受け皿にできないかと考えています。
 条例運動の中で、人づくりをしていかないといけません。商工会のメンバーにも、もっと横の繋がりをふやし、担い手を増やしていくことが重要になっています。

3.米田順哉氏(愛媛同友会副専務理事 NPO法人家族支援フォーラム理事長)の報告概要

 東温市の特徴は、平成22年から1年間にわたって徹底して学習してきたこと
 次に、条例をつくり推進するためるためには、情熱が必要です。同友会の事です。このことを通じて、市長さんも山本課長さん(当時 課長補佐)も条例制定への覚悟が出来たと思います。学習を基本に据えなければ、条例の必要性はなかなか腑に落ちません。務局長(当時)であった鎌田さんは、癌のステージ4という状況にもかかわらず「絶対に条例をつくる」と語り行動しました。この情熱が、同友会東温支部会員、市職員、大学の先生を動かしました。ただ、戦略や手順だけでは条例はつくれても推進出来ません。情熱があるから本気で激論が出来るし、主人公が誕生します。
 この情熱は、条例前文への思いとして成文化されます。
 基本条例は理念条例なので、何をやるかは具体的には書かれていません。ゆえに、前文に思いを込めておかなければ、何も実行されないのです。つくった人の思いがこもっているから、制定後に「これをやろう」という具体的な提案へと繋がります。愛媛同友会では、長年経験と実績のあるキャリア教育を具体的に提案しています。

 先ず、学習運動から始め、情熱を持って人々を組織し、熱く議論して主人公を育てることです。
 次に愛媛同友会では、条例による地域振興の定石で取り組むことを戦略にしました。
 
 定石とは、慶應義塾大学の植田先生の提案です。「調査・条例・円卓会議(産業振興会議)」の3つを揃えて取り組むことです。これは、植田先生が条例制定活動に関わってきた中で導き出したものです。条例は地域における経営指針なのです。経営指針をつくるには、先ず現実を良く知ることから始めます。それが調査活動です。条例には理念を盛り込みます。理念を実現する基本方針と計画は円卓会議を通じて行政に提言され、実行は円卓会議によって検証されます。これは、企業における経営指針の実践と同じです。
 最後になりますが、同友会が条例づくりをプロドュースすることです。愛媛同友会は1994年からキャリア教育に取り組んだ実績があり、大学との関係をつくってきました。この実績を条例づくりに結びつけました。大学や行政との信頼関係は一朝一夕には出来ません。取り組んでいる私たちの生き様への共感、感動があってこそ出来上がると思っています。
 東温市の条例づくりに、松山市の担当者も参加して一緒に勉強してきました。東温市は条例制定に3年かかりましたが、松山市は半年で出来上がりました。それは、松山市では職員さんの学習が先行していたからです。

ファイル 1631-2.jpg

 この後の意見交換では、東温市として「エコノミックガーデニング(地域活性化の手法)」を展開したいことや、円卓会議の構成メンバーだけではなく、地域のいろいろな組織を繋いで意見をくみ上げる役割を果たす組織があると、さらに盛り上がるのではないかと補足されました。


○会員企業訪問

と き:2016年2月9日(火)13:30~14:10
ところ:愛媛県庁内「ゆるり茶屋 夢屋(NPO法人家族支援フォーラムが運営)」
司 会:大北雅浩氏 愛媛県中小企業家同友会 事務局員
報告者:米田順哉氏 愛媛同友会副専務理事 NPO法人家族支援フォーラム理事長

報告の概要
 NPO法人家族支援フォーラムは障害者の就労継続支援B型事業所です。職員スタッフ19人(別に非常勤スタッフ19人)、利用者55人で、障がい者を子どもや兄弟姉妹に持つ家族が立ち上げた法人です。障がい者が豊かに生活できる安心で希望に満ちた生活を永続できる仕組みを作りたいと、2003年に立ち上げられました。福祉の世界では「○○してあげる」とか「指導する」という傲慢な姿勢に陥りやすいので、同じ人間と人間、目線で寄り添いながら支援する。共に学び合い育ち合いがしたいと、理念をつくりました。
《法人理念》
 家族支援フォーラムは
 障がい者本人とその家族および支援スタッフが共に育ちあいながら
 本人が望む豊かな地域生活が永続する環境づくりを通して
 本人・家族・スタッフの物心両面の幸せを追求します。
 「本人が望む豊かな地域生活」とは、「暮らす」「働く」「楽しむ」ことがバランス良く保障されていることです。例えば、障がい者が一人で飲みに行くのは無理だと思われていましたが、今では皆が自分で飲みに行けるようになりました。経験値が育まれれば、地域で楽しむことが出来るのです。また、福祉は犠牲的精神や奉仕的精神がなければ駄目と言うのではなく、働くスタッフもイキイキしていないといけません。障がい者どうしが結婚して、子どもも育てています。夫婦二人で住んでいるマンションはグループホームになり、職員スタッフが見守っています。

ファイル 1631-3.jpg

《職員と共に経営指針経営で危機突破》
 実は現場の判断を任せていた幹部職員が二人退職して、経営危機になりました。その幹部二人がいなければ判断できない組織になっていたからです。経営指針もPDCAができていませんでした。そこで、理念と方針を全職員で見直し、皆で力を合わせて危機を乗り越えようと呼びかけ、半期に一度経営指針の総括を行うようになりました。いまでは、やっと経営指針による経営が出来ていると感じています。

《条例制定運動は本業そのもの》
 私が条例制定運動を始めたのは、愛媛同友会の取り組みで北海道の事例を学んでからです。私は障がい者が仲間はずれにされない、地域生活支援に取り組んでいます。そのためには「活力と包容力のある地域」の存在が前提条件になります。
ところが、2000年代から政府の構造改革路線が進み、地域がどんどん疲弊していきました。このままでは地域生活支援が出来なくなるという危機感を持っていました。そこで、条例づくりとその実践を通じての地域づくりは、障がい者の地域生活支援に直結していると整理をして、腹に落ちました。ですから、条例運動は私の本業そのものなのです。

○松山市「中小企業振興基本条例」懇談会

と き:2016年2月9日(火)15:30~17:30
ところ:まつやま経営支援プラザ
司 会:大北雅浩氏 愛媛県中小企業家同友会 事務局員
報告者:米田順哉氏 愛媛県中小企業家同友会 副専務理事 NPO法人家族支援フォーラム理事長
三好貫太氏 松山市産業経済部 地域支援課 主査
日高真幸氏 松山市産業経済部 地域支援課 主事
鎌田哲雄氏 愛媛県中小企業家同友会 専務理事
報告資料:別紙の通り

1.米田順哉氏(愛媛同友会副専務理事 NPO法人家族支援フォーラム理事長)の報告概要
 松山市の条例は、東温市での学習の中で共につくってきました。これは凄いことで、行政が垣根を超えて学び合うことは、あたりまえのことではないのです。だから、東温市の条例づくりの先進性と、松山市独自の先進性があります。
 松山市の条例パンフ6ページの定義の(2)「中小企業団体」のなかに、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、経済同友会と並んで中小企業家同友会が位置付けられています。これは全国で初めてのことで、条例づくりをプロドュースした愛媛同友会の鎌田専務理事の情熱と、その運動を担保する愛媛同友会500名会員の経営実践のたまものです。
 条例は人とひととの関係の中でつくられます。顔のある個人どうしが信頼関係をつくって、つくられるのです。

円卓会議の議論が、松山市の振興計画に反映され、それに財政的担保が成されています。そこまでが条例の条文に入っています。
 円卓会議の組織も、松山市独自のものがあります。
 円卓会議は行政から独立した機関です。そこには「意見を出してください」と諮問されますが、逆に言えば「意見がないなら何もやらなくても良い」と言うことになる、責任の重い機関です。
 同友会は専門部会として「人育ち応援部会」を担っています。ここでは、健全な職業観を広めるために、先生・親子・PTA・教育に携わる人向けのキャリア教育教材(教案)として「未来デザインゲーム」づくりに取り組んでいます。
ファイル 1631-4.jpg

2.日高真幸氏(松山市産業経済部 地域支援課 主事)の報告概要

《松山市の現状と調査活動そして条例の制定へ》
 松山市の地域支援課には6つの課があり、条例は中小企業支援課で取り組んでいます。
 松山市の事業所規模は10名以下が殆どで、77.2パーセント。市内の総生産は伸び悩んでいて、全国平均を下回ります。市民所得も、県・全国平均以下です。
人口は、今を境に下がっていきます。65歳以上人口は、増えてゆきます。

 平成24年度に市内中小企業3,500社を対象としたアンケートを実施しました。特徴的だったのは、直近3年間で売上・純利益とも減少した事業所が40パーセント、雇用面では3年間で新規雇用していない事業所が30パーセントもあったことです。この結果を踏まえて、条例をつくって中小企業を振興していかなければ、市民生活を支えられなくなると言う結論に達し、条例をつくることになりました。

《条例制定後の流れ》
 松山市の中小企業支援の方向性は、中小企業の振興が地域振興の要であると言う考えから進められています。平成26年から
1)「松山市中小企業振興基本条例」の制定
2)松山市中小企業振興計画の策定
3)推進機関である「中小企業振興円卓会議」の設置
4)中小企業支援のワンストップ窓口の設置
5)各種支援事業の実施
と言う流れで取り組んできました。

 条例は9つの基本方針で中小企業を支援することを定めています。
1)新たな事業活動の支援
2)経営基盤の強化
3)人材の確保、育成、定着
4)中小企業振興のための必要な調査及び研究
5)制度、組織及び拠点の整備
6)受注、発注機会の増大
7)販路の拡大
8)融資制度の充実
9)関係機関等との連携
 松山市の条例の特徴は、条例の「定義」に「中小企業家同友会」を規定したこと。条例の推進機関として「円卓会議」を位置付けたことです。これは、松山市とは別の民間主導による機関で、広い分野から委員を選び、市の中小企業施策に対して分野ごとに調査・検証しています。
 「円卓会議」の下に3つの「専門部会」(「まどんな活躍推進部会」「なでしこドリームプロジェクト」「人育ち応援部会」)を置いています。
ファイル 1631-5.jpg
3.三好貫太氏(松山市産業経済部 地域支援課 主査)の報告概要
《出来ちゃった条例にしない》
 私は条例策定3年前に、初めて中小企業支援担当になって条例づくりに携わりましたが、やり方がまったく分かりませんでした。条例は法律であり、計画とはまったく違います。先に取り組んでいる東温市さんから愛媛同友会さんを紹介していただきました。東温市の担当者であった山本課長さん(当時 課長補佐)からは、「目的」「目指すところ」「思い」「理念」、そういうものが条例に入らなければ推進されないと言うこともアドバイスを受けました。要するに、市の内部で作文した「出来ちゃった条例」にしてはダメだと言うことです。

《調査を踏まえ議論を尽くす》
 3,500社の調査をして、条例の骨組みを作りました。条例をつくることは市長のトップダウンで決まっていましたので、半年間でつくることが私のミッションになりました。
 3ヶ月でフレームをつくり、その後は検討委員会をつくり、協議して100以上の質問が出されて、すべてに応えました。委員会で一緒につくってきましたので、委員からは「こんなに疲れる委員会は初めてだ」と声が出るほどでした。

《審議会ではなく円卓会議を推進エンジンに》
 条文が出来たら、推進する組織と計画と拠点づくりを決めました。
 平成26年に推進組織の設置に取り組みました。市として円卓会議のような形は、初めてのケースです。当初から「審議会」のように意見を言うだけの会議体は意味がないと考えていました。そこで、中小企業振興円卓会議は市が設置するのではなく、外部組織として位置付け、支援団体が発起人となって自主的に設置することにしました。
 「基本条例」の「基本」とは、行政として重きを置いていることの証です。松山市の決意の現れです。だから、財政的措置も定めて地域活性化につなげる取り組みにします。

 市の中小企業振興は、これまで地域経済課が産業計画も条例もない中で、担当者レベルで取り組んできました。市の姿勢を示したものがなかったので、まず条例をつくることになり、その中に計画をつくると定め、いまは「松山市中小企業振興計画」の策定に取り組んでいます。

 平成25年度にオープンした「まつやま経営交流プラザ」は、創業と経営のセンターとして年間6,500人が利用し、創業相談83名で23人が創業する実績を出しています。

4.鎌田哲雄氏(愛媛県中小企業家同友会 専務理事)の報告概要
 私たちは行政の人たちと一緒になってやってきました。人に働きかけるには、情熱と行動と戦略が必要です。人とひととの関係は曇ってはいけません。まさに鏡の関係です。同友会運動は「人間を取り戻す運動」です。社会教育運動なのです。
いくら良いことを言っても、現物がないとダメなのです。現物とは、経営者の実践なのです。人を生かす経営を実際にやっているかどうかが問われるのです。行政の方も見ているのです。「本当にやっているのですか?」と。だから、真剣になってやれるのです。経営指針による人を生かす経営を実践していない人が条例に関わると、PDCAがまわらなくなります。全国で条例が出来てもその後に進んでいないのは、そこに課題があると思います。
条例制定のプロデュース機能を、事務局長(専務理事)や担当する役員が全権委任で持つことが重要です。愛媛同友会は県域団体で、しかも教育委員会ともつながっています。だから広域連携やキャリア教育で力を発揮できました。

県議会日本共産党議員団との懇談会を行いました。

 県議会 日本共産党議員団との懇談会を11月24日(火)午前10時30分から11時40分まで県議会の議員控え室にて行いました。
 日本共産党からは節木三千代議員、藤井三恵子議員、杉本敏隆議員の3名全員に対応して頂きました。
 滋賀同友会からは、蔭山代表理事、坪田副代表理事、高橋政策委員長、廣瀬専務理事、大原事務局長が参加をいたしました。
ファイル 1536-1.jpg
 蔭山代表理事から「同友会の運動で中小企業憲章、県中小企業活性化条例ができました。地域ではキャリア教育に力を入れていて、障害者のや若年無業者、児童養護施設の子どもたちの就労支援にも取り組んでいます。他の経営者団体と違い自主自立の精神で運営をしていますので、補助金頼みでなく、自力でよい会社と良い地域づくりをめざしています。大企業のトリクルダウンでは地域の景気は良くなりません。中小企業を主人公にした地域活性化を取り組んでゆきたい」と挨拶。
ファイル 1536-2.jpg
 このあと、同友会の政策提案をもとにした意見交換が行われました。中小企業振興基本条例を軸にした地域振興の取り組みでは、愛媛県松山市の事例を紹介しつつ、地域振興のために会議体を設置しながら、課題別のワーキンググループをたくさんつくり中小企業家が主体者となって関わる仕組みづくりが必要だと強調。県に中小企業活性化条例ができても、市町では条例づくりはまったく進んでおらず、中小企業が主体的に参加して施策をつくる場もできていないことを指摘しました。
ファイル 1536-3.jpg
 これから地域が自立的に持続可能な形で発展するためには、食・エネルギー・人の支援が自給される必要があることも強調。中小企業振興を商工観光労働部だけの課題にするのではなく、一次産業や教育・福祉など共に地域を構成しているセクターも加わって考えていく必要があることも提案しました。(M・H)
 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ