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びわ湖かがやきカンパニーvol.68 2017年2月 株式会社 柿木花火工業

びわ湖かがやきカンパニーvol.68 2017年2月

株式会社 柿木花火工業

びわ湖のほとりで「キラ」っと輝く滋賀県中小企業家同友会メンバーの事業所、商品、サービスをご紹介します。

< インタビュアー>取材まとめ:八木真紀(有限会社ウエスト)


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競技大会で入賞した花火や環境に配慮したエコ花火など、花火店として新たな風を吹かせる長浜の株式会社 柿木花火工業。三代目代表取締役社長の柿木博幸さん(滋賀県中小企業家同友会北近江支部会員)にお話を伺いました。(取材/11月30日)

日本人の感性を映し出す花火
 御社の花火と特徴とは。

柿木 一昨年に私が開発した濃い青色発光の花火は、諏訪湖の全国競技大会で3等 長野県知事賞に入賞した作品です。青色の発色自体が難しいばかりでなく、光る時間も長めを実現し、各地の花火大会で好評を得ています。
 日本の花火は、能楽の「序破急」に通じていることがわかります。序は導入の静かな部分、破は中心となり展開される部分、急は終わりすっきりいう演出理論です。打ち上げから終わりまでの数十秒の間にさまざまなドラマが描かれていることは、外国の花火には見られない日本の花火の奥深いところです。花火の種類は、菊、ダリア、牡丹などの花の名前や枝垂れのように光の線が垂れる金冠、銀冠など、花火用語が統一されています。
 昔、戦が盛んだったこの地域では、合戦の際の合図である「狼煙」や鉄砲の火薬技術が変化して花火が町の風習となり、姉川や高時川の沿川では陣屋と呼ばれる花火打上げの司令塔が置かれていました。町ごとに花火を作って競技大会を開いていたほど盛んでしたが、昭和25年の火薬類取締法の施行から急速になくなっていったそうです。

人生のターニングポイント
自らの存在意義を見出す
チャレンジ精神の原動力に

 花火の製造業者は滋賀で1社のみですが、事業を継承されたいきさつとは。

柿木 初代の祖父と二代目の父は花火を仕入れて商売をしており、自社で本格的な花火製造に乗り出したのは三代目の私からになります。スポーツマンだった私は、ボートでの大学推薦がありましたが、それを取り止め大手企業へ入社しました。その会社自体に何の不満もなかったのですが、25歳のとき、自分の人生を改めて見つめなおす出来事に出会いました。自分が今生きていること、花火屋に生まれたことは意味があるのではないかと考えるようになり、自分の進むべき道を確信し、家業を継ぐことに決めました。花火とは、人が笑顔になり、拍手をして喜ぶ仕事
であること、父がたった一度も仕事の愚痴を言わなかったことも後押ししました。20代のうちに技術を習得したいと考え、静岡県の大手花火会社に修業に出ました。師匠は本来なら弟子をとらない方だったのですが、祖父との縁のお蔭で実現しました。修業時代では技術はもとより、本当に多くのことを学ばせていただきました。
 懸命にスポーツに励み苦楽を積んだ経験、最初に入社した大企業での知識、厳しい修業時代に会得したこと。帰郷したときは、すべての経験が自分を支え、「波に乗る」という感覚でスタートを切ることができました。
 設備を整え、花火製造を始めましたが、本業以外の仕事も積極的にお手伝いしています。例えば甲賀忍者に伝わる火薬の調合を頼まれたり、コーヒーの出がらしを微粉末にして火薬に利用する研究をしたり、身近な材料で花火が作れることを小学生に教えるなど、他の花火屋がやらないようなことも、「今の私があるのは、意味がある」という考えのもと、前向きにトライさせてもらっています。

「エコ花火」の自社開発
企業独力を重ね、業界に旋風を

 今後の課題や展望とは。

柿木 中国など外国産の安価な商品との価格競争は、花火業界でも例外ではありません。当社もかなり苦しんだ時期がありました。打開するには、何か特徴を出さなくてはなりません。花火の玉皮は紙で作られ、花火大会終了後には大量の燃えカスが地上に降っています。「ゴミを極力出さない花火を作れないか、それを琵琶湖を有する滋賀から発信できないか」と考え、4年の歳月をかけゴミの排出量を15分の1程に抑える画期的なエコ花火の開発に成功しました。玉皮は魚や鳥が食べても影響がない生分解性のプラスティックに、割火薬は独自の研究から植物の種を使用し、打ち上げと同時に燃え切ってしまうものに。何とか、このエコ花火を広げていけたらと思っています。
 全国各地の花火大会では、参入できる業者がほとんど固定されています。当社は県内唯一の花火製造業者ですが、県内の主要な花火大会でさえ県外の業者が独占し、門戸が閉ざされているのが現状です。
 青色花火のように特徴のある商品、滋賀県産のエコ花火、そして皆さまに感動していただけるような魅力ある花火をつくり、多くの花火大会へ参入していけたら。そして、さらなる雇用も創出し、地元にも貢献できるような企業として残り続けていけたらと思います。

株式会社 柿木花火工業
長浜市本庄町388
TEL/0749-62-3503
http://eco-hanabi.com/

「びわ湖かがやきカンパニー」に掲載希望の会員様は、同友会事務局までご連絡ください。
お申し込み多数の場合は、理事会等で掲載順を決めさせていただきますのでご了承ください。

滋賀県中小企業家同友会事務局(担当 廣瀬)
TEL 077-561-5333