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「労働力不足」「改正労働契約法」アンケート結果(速報)

                         2017年9月26日

 滋賀県中小企業家同友会
 会員の皆さんへ

                     滋賀県中小企業家同友会
                     代表理事  蔭山孝夫
                     政策委員長 青木孝守

報道関係者との懇談会開催に向けた
     「労働力不足」「改正労働契約法」アンケート結果(速報)

 時下、皆様にはますますご清祥のことと存じ、お慶びを申し上げます。
 さて、8月8日~9月19日に実施いたしました標題アンケートにご協力をいただき、誠に有り難うございました。
 おかげさまで、回答数は理事会で目標とした300社を上回り、310社より得ることが出来ました。重ねてお礼を申し上げます。
 ご回答いただいた内容を取り纏め、速報として裏面に記載いたしますので、ご活用いただけましたら幸いです。
  
報道懇談会は
1)滋賀県の中小企業の現状の紹介
2)行政の政策への反映
3)同友会の対外的PRの機会
として重要な取組みで、16年前から毎年継続して行っております。(今回は開催日が臨時国会での冒頭解散と重なることが濃厚となり、当初の開催日を延期することになりました)

 滋賀県の中小企業の実態を調査し報道関係者に伝えることは、上記の目的を進めるために最も重要な取組みであることに加え、滋賀同友会の運動(例会での学び合うテーマや委員会活動の重点など)に必要なデータを提供し、アンケートを契機にした会員訪問や呼びかけを通じて、会員同士、会外経営者とのコミュニケーションの活発化などが進み、組織の拡大と強化にも繋がります。

 アベノミクスから5年。戦後最長の景気回復と言われますが、地域の人々や中小企業にとってその実感は乏しく、内需を支える中間所得世帯の減少・低所得世帯の拡大など、国民や地域と共に歩む私たち中小企業にとっては依然として厳しく予断を許さない状況が続いています。
このような情勢下で、中小企業に現状をリアルに掴み、発表し、行政施策への反映や市民に滋賀同友会運動への理解を広げ、仲間を増やすために、今後もアンケート調査へのご協力を、宜しくお願いいたします。

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「労働力不足」アンケート(速報)
          
                     2017年9月25日 
                     滋賀県中小企業家同友会

 滋賀同友会では、8月8日~9月19日にかけて会員企業の「労働力不足」と「改正労働契約法への対応」についてアンケート調査を行い、310社の回答を得ました。以下その傾向や特徴を見てみたいと思います。

調査概要

調査用紙に記入、あるいはe.doyuシステムにて回答を依頼。310社、平均社員数30名(総数9440名)の回答を得ました。

ポイント1.やはり強い「労働力不足」感

 回答社中、71.3%(221社)が「労働力が足りていない」と答えています。中小機構の調査(5月)では74%の企業が「不足」と回答していますので、引き続き中小企業にとって大きな問題であると言えそうです。また業種別に傾向を見ると、飲食業92.3%(12/13)運送業88.9%(8/9)建設業78.4%(29/37)、製造業78.1%(50/64)医療福祉71.4%(15/21)卸小売業56%(32/57)と、やはり飲食業、運送業を筆頭に、ほとんどの職種で「労働力」不足が深刻な問題であることがわかります。

 労働力確保の課題や対策は業種・業態・規模などによっても異なると思われますので、さらに多くのデータに基づく分析が求められます。
 滋賀県の中小企業活性化条例には、県の責務として「勤労観および職業観の醸成、職業能力の開発の促進、就業環境の整備その他の方法により、中小企業の事業活動を担う人材の確保および育成を図ること。」とあります。7割を超える県内中小企業が悩む「労働力不足」の問題についても是非、行政当局の真剣かつ有効な取り組みを期待したいものです。

ポイント2.実は単なる「人手不足」ではなく、「人財」の確保と育成が急務

 不足している人材の中身(複数回答可)を見てみると、「ラインスタッフ」の15.8%(35/221)に対して「専門職(技術・経理など)」と回答した企業が68.8%(152/221)、さらに記述で営業職等と回答した企業を含むと、実に89.6%(198/221)の企業が、単なる「人手」ではなくスキルや経験を持った人材を求めていることがわかります。この点も中小企業支援策の立案・実施に当たって考慮すべきポイントと言えます。「後継者」がいないと回答した企業は8.6%(19/221)と、事業の承継に関しては多くの同友会企業が着実に取り組んでいる姿が見えます。この点に関しては回答企業の経営者の年齢が比較的若いことも原因かもしれません。

 一方で、「不足」と答えた企業のうち、新卒採用ではなく、中途採用のみで対応しようとしている企業が58.8%(130/221)と過半数に上っています。スキルや経験のある人材が枯渇していますから、目先の即戦力を求める中途採用だけで今後も安定的に確保し続けるのは困難と気づかなければなりません。同友会が提唱するように中長期の経営方針に基づき、新卒定時採用を行い、人が定着し、成長する企業づくりを着実に進めていくことの大切さが改めて示されていると言えるのではないでしょうか?なお障害者雇用をしている企業は10社(4.5%)でした。2019年10月に滋賀で開催される「障害者問題全国交流会」の設営を通じて、障害者、高齢者、外国人などユニバーサルな雇用をどのように増やせるのかも課題と言えるでしょう。

ポイント3.周知が不十分な「改正労働契約法」

 2018年4月に実質発効する「改正労働契約法」の有期雇用契約の制限条項について「知らない」と回答した企業が134社(43.2%)がありました。違反すると監督署の指導を受ける事もありますので、県や市町の迅速かつ入念な周知の努力が求められます。有期労働者が居る企業で「雇止めにする」と回答した企業は1社のみでした。安易に解雇せず雇用を守り続けようとする姿勢が大勢を占めているのは、さすが同友会企業と言えるでしょう。しかし、「検討中」「わからない」と回答した企業が53.7%(51/95社)あります。同友会としても、支部例会などで、また当アンケートを通じて、周知・議論していく必要があるようです。