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2018年新春例会を開催~鋤柄修中同協前会長より経営者の責任と姿勢を学びました!~

 2018年滋賀県中小企業家同友会新春例会が1月24日(水)13時30分から16:45分までホテルニューオウミで開始され92人が参加しました。

 蔭山孝夫代表理事は「2019年は中同協創立50周年、滋賀同友会創立40周年になります。中同協は5万名会員へ、滋賀同友会は800名を目指して仲間づくりに取組みます。同友会運動を強く大きくし、地域経済の逞しい発展を担いましょう」と挨拶。

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 続いて、ご来賓の紹介と祝電が披露され、基調講演が行われました。
◯ご来賓(順不同)
 船木 敏男 様 株式会社滋賀銀行 営業統轄部 地域振興室長
 小野田広徳 様 滋賀中央信用金庫 本店営業部長
 門 脇 宏 様 滋賀県立大学 地域共生センターCOC+推進室 コーディネーター
 西岡 孝幸 様 滋賀県立大学 地域共生センターCOC+推進室 コーディネーター
 鶴野 善久 様 龍谷大学 龍谷エクステンションセンター 次長
 筒井 長徳 様 龍谷大学 龍谷エクステンションセンター産学連携コーディネーター
 城 智 哉 様 龍谷大学 龍谷エクステンションセンター 課員
 山口 淳也 様 産経新聞社 大津支局 支局長
 大橋 通伸 様 滋賀県議会議員
 中村才次郎 様 滋賀県議会議員
◯ご祝電
 三日月 大造 様 滋賀県知事
「2018年新春例会のご盛会を心よりお祝い申し上げます。貴会のますますの発展をお祈りいたしますとともに、会員各位が地域経済の核として、魅力ある企業づくりに向け、一層活躍されますことを期待いたします」
 橋 川  渉 様 草津市長
「2018年新春例会の開催を祝し、心よりお喜び申し上げます。関係各位のたゆまないご尽力に敬意を表しますと共に、本日お集まりの皆様方のさらなるご活躍を祈念いたします」

 基調講演の講師は、中小企業家同友会全国協議会前会長・相談役幹事、株式会社エステム名誉会長の鋤柄修氏。「同友会運動と不離一体の経営~何を学び実践するのか!~」をテーマに、熱のこもった経営体験報告をしていただき、あっという間に予定の80分間が過ぎて行きました。

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◯鋤柄氏講演概要

 昨年の7月の中同協全国総会で、10年間務めた中同協の会長を退任しました。振り返ってみると、あっという間でして、毎日を全力で疾走していたなと思います。
 今年に入っての講演活動はこれが最初です。
 経営者の責務は、経営指針書を作成し、しっかりと経営計画を出し、毎年少しずつでも利益を上げ、しっかり納税を行い、雇用をし続けることにあると思います。
 そして、自分一人だけでは解決できない問題は、同じ中小企業家達と協力し、力を合わせ、行政や政府に要求する。その成果として現れているのが、中小企業憲章・中小企業振興基本条例の制定です。
 このような活動をこれからも推進していく為には、地域地域で、同友会でしっかりと勉強し、良い経営を行い、しっかり税金を納めるような企業をどこまで増やせるかだと思います。
本日は、私が同友会で何を学び、実践してきたのかをお話させて頂こうと思います。

経営者自身が理想の後姿を見せ続ること

 当社は1970年、丁度、大阪万博が開催された頃に、私の同級生が創業しました。当時、私は別の食品会社で働いていたのですが、本当に殺されるかぐらいの長時間労働の毎日で、3年経った頃には疲労困憊の状態になり、水処理のプラントのメンテナンスを行う今の会社に移ったわけです。
 今は4代目の女性の社長が引き継いでおり、従業員数は400名程で、㈱エステムを中心に、子会社が4つあり、全5社で事業を行っております。
 私は会社に行くと、毎日、日経新聞を取りにいき、読むことを欠かさずやっております。それを見ていた4代目が、「社員教育には日経新聞を読まなくてはいけない」と言い、「日経新聞を読む会」を発足させました。社内からは21名程参加しました。多い少ないは別にして、このように会社のトップが後姿を見せることで、従業員は気付いていくものです。
 私が働き始めた当初に、多くの国家資格を所得しました。下水道関係の資格も多く持っています。お陰さまで、現在従業員400人のうち8割ぐらいが国家資格を取得しています。これも、私自らが国家資格を取得し、後姿を見せてきたからです。
 従業員は経営者の姿をよく見ているものです。経営者自身が理想の後姿を見せ続けられるか。そして従業員自らが気付くまで待てるかが重要です。
 しかし、社員に早く気付いて欲しいが為に、毎朝理念を唱和したり、経営者が20分も30分も話をするような朝礼には反対です。一定の効果はあるかもしれません。私も以前はそのようなこともやっておりましたが、幹部から「やめて下さい、せめて1ヶ月に1回20分程の話をするのに控えて下さい」と言われました。つまり、社長の話は社員にとっては余計なことなのです。毎日言葉で伝え続けるより、やはり理想の姿を見せ続けられるかが重要なのだと思います。

愛知中小企業家同友会へ入会して学んだこと

 私が同友会に入ったのは、1980年に労働組合が出来たことがきっかけです。原因は、3回目の賞与を成績による3段階の金額に分けて渡したからです。一夜にして、賞与の金額の違いが全社員に知れわたり、評価制度もないのにトップと№2だけの評価で決められたこと、賃金体系がないので10年後の自分らの給料がどうなるか分からないということで労働組合を作られました。
 春夏秋冬、年4回、全額会社持ちの慰安旅行も行い、この間まで麻雀をして仲を深めてもいたにも関わらず、年3回目の賞与を、しかも現金支払いで渡したのに労働組合が作られたという現実には相当腹が立ちました。
 「何がいけないのか?」「何が間違っているのか?」東京まで勉強しにいっても答えが分からず、途方に暮れていたときに、中日新聞に載っていた愛知中小企業家同友会の広告を見て、入会をしたわけです。
 同友会で学びをしていくうちに、2つの大きな間違いをしていたことに気付きました。
 社員を公平に評価する制度がなかったことと、評価の基準も明確に定義していなかったことです。
皆さんも、この2つを今まで考えて来られなかったのなら、是非この機会に考えて下さい。そして今すぐ取り組んでください。そうでないと、人が来なくなります。
 人材不足は深刻です。労働人口が一気に減っていきます。そんな中、このような評価制度、就業規則がなければ会社を発展させることは不可能です。人が来ませんから。
是非、明日からすぐに取り組んで下さい。

「自主・民主・連帯の精神」を経営にいかすとは

 また、同友会の理念に、「自主・民主・連帯の精神」があります。これも良い会社づくりをする為には必須なものです
 この「自主・民主・連帯」言うのは簡単ですが、この言葉の意味を一つひとつ解釈していくと、ものすごく時間がかかるものなので、ここでは深い意味まで話ませんが、一度は皆さんも考えてみて下さい。最後は哲学的な話になりますから。
 わが社もこの精神が行き渡る職場環境を作っています。
 「自主」では、社員が自主的に働ける環境創りに取り組んでいます。社員が「自らこれがやりたいです!」と発案し、実行できる職場です。その際、失敗しても良いから、恐れずやってみろと声をかけます。そうして社員の自主性を育てるのです。また「自主」とは幹部や経営者の自律ということにもなります。本能のままに動く上司を部下が見たらどう思うか。役をかさにして、実にだらしないことをしていたら部下はどう思うか。その部分をしっかり考えるように言っております。
 何度もいいますが、社員は経営者の姿をしっかりと見ています。経営者自身が、理想の姿を従業員に見せられるかどうかなのです。
 「民主」では、社内に社員の声を聴くルートを作っておりますし、中間管理職の声を聴くルートもあります。人事異動については、部長が作成した人事案を取締役も入って議論し決定します。そこまでやるのか?というぐらいやります。
また、従業員400人中、100名が女性です。そのうち子育てをしながら働いている従業員が35名程います。そういった従業員が働きやすい職場環境を常に考え、取り組んでいます。その取り組みは、女性従業員の発案を参考にしています。
 つまり、従業員がいつでも意見や提案ができる職場環境にしているのです。かなり民主的だと思います。
 「連帯」では、同期会というのを作り、同期の横の繋がりを大切にしています。
 このように、同友会で学んだ、「自主・民主・連帯の精神」を良い会社づくりへ具体的にいかすことが大事なのです。

人を惹きつけるトップになる

 また、トップの姿勢が人を惹きつけ、動かすものだと再確認したのも、同友会の役員をやったからです。
 入会して熱心に同友会行事に参加してますと、すぐに役をまかされます。同友会はそういう会です。私も先輩が厳しい方だったので、例会には熱心に参加しておりました。2~3年も熱心に参加しておると、なんと地区の副地区会長に任命されました。
 びっくりしましたが副だから良いかと思い、引き受けたところ、なんとその時の地区会長の会社が倒産してしまい、副地区会長の私がその年の9月から地区会長に就任することになりました。
 当時の同友会はおもしろくなかったです。例会に会員は来ない、幹事の人は言うことを聞いてくれない。毎日そんな悩みばかりで、同友会なんてどうでもいいと思っておりました。しかし私の性格上、自分で決めたことを途中で投げ出すのは許せないものでしたので、こうなったらとことんやってやると思い、役の職務を全うしました。
 私の地区は会員が約60名程いたのですが、ある時の地区例会の参加人数が私を含めでたった3人だったこともあります。私と副地区会長と幹事だけでした。私もとうとう堪忍袋の緒が切れ、こうなったら来ない会員を全員叩き起こしてやると息巻き、全会員の会社に一人で例会のチラシを持って訪問しました。「同友会にすごい熱心な事務局員が入った」という噂が立つ程訪問しました。
 すると、その姿を見た会員が、一人またひとりと、「鋤柄さん、申し訳なかった。これからはしっかりと例会に参加するよ」と言い、例会に参加するようになったのです。その結果、最高53名例会に会員が集まるようになりました。それから同友会が楽しくなってきて、気づけば4年10ヶ月程も地区会長をやっておりました。
 やはりトップの姿勢なのです。トップが汗水流し必死に取り組んでいると、それを見ている人には必ず熱意は届くものです。皆トップの後姿を見ているものなのです。このような経験からも、やはりトップの姿勢というのは大事なのだなと学びました。

あらためて、経営者の責任とは

 労使見解にも書いてありますが、経営者の責任とは「いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任がある」ということです。
 昔の先輩はすごいですね。維持だけではダメなのです、維持し発展させなくてはいけないのです。その為には、経営者が10年、20年先の自社のビジョンをしっかりと描き、経営計画を立て、経営を行わないといけません。
 考えてみて下さい。18歳で入社してきた従業員が20年後は38歳です。学校の同期会のときに、同級生と名刺を交換しますよね。そこに何か役職があったら嬉しいじゃないですか。何かしら役職を持っていたいものじゃないですか。その為には、従業員が入社した頃と、売り上げも変わらず、人も増えていなかったら、役職などつけれないわけです。
 会社が発展するから、新しい仕事もつくることができ、人の採用もでき、従業員にも20年後には役職がつけられるわけです。皆さんは20年後の人事を考えていますか?考えていないのなら、従業員のことを考えてあげて下さい。この会社で10年、20年働いたら自分はどうなれるのか?そのビジョンを経営者が示せるようになって下さい。そういうことを考えると、会社を維持するだけではダメで、発展をさせないといけないのです。

 いろいろと話をして来ましたが、大事なことは、経営者が10年、20年先のビジョンをしっかりと持ち、従業員へ恥じない姿を見せ続けられるかということです。
 本当に人が採れない時代になってきました。今では、一人の学生に5社も6社も内定が出ているみたいです。就職氷河期のことを思うと考えられないです。
 しかし、確実に労働人口は減ります。その中で、従業員が「この会社で働けて本当に良かった」と、そう思ってもらえるような会社づくりをしなくては、もう人は来ません。会社も発展させることもできません。

 皆さんで、良い会社づくりに邁進し、こういった想いを持ち経営に取り組む仲間を一人でも多く増やしていき、同友会理念を日本に広めて参りましょう。(文責 事務局 前川)


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 鋤柄氏の講演後、蔭山大輔滋賀同友会創立40周年事業推進本部長から「中同協創立50周年に滋賀同友会は40周年を迎えます。推進本部では“すべての経営者に同友会を伝えよう~同友会の存在、理念、真髄を~”をスローガンとして、滋賀県内14,000社へ同友会を知らせ、2,800社に同友会の理念と活動を伝え、2,800人の経営者へ同友会をお誘いする対話運動を展開する方針と計画を推進します」と仲間づくり運動への決意を込めて謝辞が行われました。

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 賀詞交換会も約60名が参加して行われ、ご来賓の皆様や支部を越えた会員同士の交流が活発に行われました。

 女性会員さんの参加も多くて、滋賀同友会創立40周年を目指した、女性経営者の会作りについても話が及びました。

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◯参加者の声
 「10年ビジョン作成を目指している自分にとって、大変参考になる講演でした。10年後の人事や課題を具体的個別に考えると大変に分かりやすく、スギにでも実践できることがありますので、やってみたいです」
 「自分の姿を見せて実践することの大切さを感じました。着実に売上げ、人員、社員さんを増やしていくことの経営者としての心構えをあらためて教えてもらったと思います」
 「先を見ての採用を考えないと行けないと思いました。腹をくくって取組んで行きます」
 「数年間同友会に参加できなくて、久しぶりに参加しました。もう一度勉強しようと思います」
 「
 「経営者の責任とは、会社を維持し発展させること。社員さんがクラス会で堂々と名刺を出せる会社にします。決めました。新たな気づきをありがとうございますした!」
 「トップの後ろ姿を見て社員は気付いて付いてきてくれる と言う考え方をしっかり原に落とし込み、会社では気を緩めずにいたいと思います。昨年に離職者が少し多く出て悩みましたが、鋤柄相談役の“当社で取った資格で当社で学び、辞めても違うところで活かせてくれたら良い”と言う言葉で納得できました。その社員たちがどこかでお客様や地域のために働けたらいいと思うようになりました」
 「人を大切にして、皆がいきいきする体制にしたい、実践したい」
 「内容や言葉の暑さに引き込まれ、あっという間に時間が過ぎました。自分のテーマとしている“愚直な実践”において、同友会の神髄を力強く実践されたお話は、今後の経営や同友会活動に大変参考になりました。“経営者の後ろ姿”“資格取得した社員が退職しても活躍する”“コース別社員制度”“社員の声を聴く”“公平のルール”・・私が勉強する必要がありますが、一つずつ実践に移したい」
 「第40期経営指針を創る会に参加します。同友会3つの目的をしっかり分析し、自社へ落とし込みよう学ばせていただきます」