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【経営研究集会】第25回滋賀県経営研究集会ニュースv1

【経営研究集会】第25回滋賀県経営研究集会ニュースv1
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全国水準の学び合いに滋賀で参加できる絶好のチャンス!第25回滋賀県経営研究集会
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滋賀県中小企業家同友会 会員の皆様へ
廣瀬元行@滋賀同友会専務理事でございます。いつもお世話になっております。
第25回滋賀県経営研究集会(以下 研究集会)の開催まで、あと大凡1ヶ月となりました。皆様には8月末にご案内のリーフ(同友しが9月号)をお送りいたしましたが、ご覧になっていただけましたでしょうか?
◆ご案内はこちらよりご覧いただけます
http://www.shiga.doyu.jp/ninigi/miyo19.cgi?no=1306

基調講演には、「里山資本主義」を提唱し、全国的にも話題の研究者である藻谷浩介氏(日本総合研究所調査部主席研究員)をお招きし、「里山資本主義~中小企業が担う安心の経済原理~」をテーマにたっぷりとご講演をしていただきます。同友会が目指している「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」ことが出来る地域づくりを担う私たちの経営実践に大きなヒントを得られるはずです!。

分科会は、「社員共育の実践」「経営指針の実践と経営姿勢の確立」「中小企業憲章と条例をいかした地域と企業づくり」を中心に、第一線で活躍する会員経営者と研究者より問題提起をしていただき、じっくりとディスカッションして自社での実践課題を明らかにすることが出来ます。

懇親会では、支部を超えた会員と交流し、明日からの実践を誓い合います。さらに、会員によるサプライズな企画を準備しております。懇親会も参加しないともったいない!

○この研究集会、参加定員は180名です!
 会員を優先して、お申込順で登録しております。(もちろん、貴社の幹部社員さん、ご入会候補の会員外の経営者の方の参加も受け付けておりますが、こちらも先着順です)。

○9月より研究集会の案内をスタートし、ただいま着々と参加のお申し込みをただいております。
 「参加の締切は10月31日(金)」です!!
 この学び合いのチャンスをお見逃し無く!
 皆様のお早めの参加お申込を、お待ちしております!

○参加申込み方法
1)お手元の案内リーフ(同友しが8月号)の申込み欄にご記入いただき、事務局までFAXしてください。案内は滋賀同友会HPよりダウンロードもしていただけます。
http://www.shiga.doyu.jp/ninigi/miyo19.cgi?no=1306
e.doyuにもアップもしております。
2)e.doyuシステムからもお申込もいただけます。
 公開行事の登録画面より、ご所属の支部の研究集会を選択していただき、お申し込み下さい。
公開行事画面アドレス⇒http://e.doyu.jp/shiga/7days/event/index.cfm
3)各支部役員の方は、参加券をお持ちです。例会等でお問い合せ下さい。

○開催概要○
と き:11月11日(火)13:00~20:30
ところ:クサツエストピアホテル
    草津市西大路町4-32/TEL.077-566-3333
    JR「草津駅」西口下車「びわこ通り」を直進、徒歩3分
集会スローガン:    強靭な企業づくり運動を展開し、地域経済発展の原動力となろう!
募集人数:180名(会員優先で、お申込順となります)
内 容:
 12:30 受付開始
 13:00 第1部 開会セレモニーと講演会
 13:15 基調講演
     「里山資本主義~中小企業が担う安心の経済原理~」
     講師:藻谷浩介氏 日本総合研究所調査部主席研究員
     「里山資本主義」著者
 15:00 第2部 分科会 詳細は添付ファイルをご覧ください
     (※アンケートで第2希望までをお選び下さい)   
《第1分科会 設営担当:東近江、北近江支部》
 テーマ:「社員の可能性を引き出す経営者の役割」
      ~社員“共育” の理念と仕組み~
 報告者:梶谷 俊介氏 岡山トヨタ自動車(株)代表取締役社長
            岡山同友会副代表理事・中同協 社員教育委員長

《第2分科会 設営担当:湖南、甲賀支部》
 テーマ:「経営指針の実践で気づいた社員との共育ち」
     ~やってきたつもり、、、経営者として変革邁進中!~
 報告者:中本 久美氏 (株)インターフォワードシステムズ代表取締役 大阪同友会副代表理事

《第3分科会 設営担当:大津支部、高島ブロック》
 テーマ:「元気な滋賀をつくる中小企業の戦略」
     ~「中小企業憲章」と「県中小企業活性化条例」を活かし広める~
 報告者:大槻 眞一氏 阪南大学名誉教授(前学長)

 18:30 懇親会(驚きと感動の音楽企画を予定中!!)
 20:30 閉会
参加費:9,000円(基調講演・分科会・懇親会参加費)
 ※懇親会不参加の場合は3,000円

お問い合わせ先=================
滋賀県中小企業家同友会 事務局
 TEL 077(561)5333 FAX 077(561)5334
 E-mail jimu@shiga.doyu.jp
 ホームページ URL http://www.shiga.doyu.jp
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第5回びわこJAZZフェスティバル ボランティアスタッフ募集(ご案内)

○滋賀県中小企業家同友会の創立30周年活動と位置づけて始まった「びわこJAZZフェスティバルin東近江」も、今年で5回目を迎えました。滋賀県中小企業家同友会は後援団体となっています。
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○今回も4月20日(土)・21日(日)の二日間、東近江市の近江鉄道八日市駅近辺で開催されます。
○実行委員会では、開催を支えるボランティアスタッフを募集しています。
○スタッフのお申込はホームページもしくは申込書をプリントして郵送かFAXでお申し込みください。
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 びわこJAZZフェスティバル実行委員会
 〒527-0022
 東近江市八日市上之町5-22
 電話・FAX 0748-22-4588
 ホームページ http://biwako-jazzfes.com/

『年頭 中小企業経営の展望レポート2013』のご活用を!

中小企業家同友会全国協議会のシンクタンクである企業環境研究センターより『年頭 中小企業経営の展望レポート2013』が発行されました。

 国民や地域と共に歩む中小企業経営に軸足を置いて情勢を捉え、経営戦略の検討や、経営指針の見直しに活用していただけます。
 世間では円安・株高メリットや成長線洛への期待が大きく取り上げられていますが、中小企業経営にとってその本質をよく見ておく必要があります。
 いずれにしましても、経営環境の激動が予想される2013年度を前にぜひご覧ください。(滋賀県中小企業家同友会 専務理事 廣瀬元行)
 (A4版・32ページ、PDFファイル/1.8MB、無料)

 *本文は下記よりご覧ください。
 http://www.doyu.jp/research/issue/outlook_report02.pdf


【内容】
●座談会出席者(敬称略)
 吉田敬一(駒澤大学経済学部教授)
 植田浩史(慶應義塾大学経済学部教授)
 菊地 進(立教大学経済学部教授)
 阿部克己(愛知東邦大学経営経済学部准教授)
 小松善雄(東京農業大学生物産業学部教授)
 司会:松井清充(中同協専務幹事)

●問題提起
世界経済の状況と2013年の景況 …小松善雄 
日本経済再生の可能性はどこにあるのか …吉田敬一
終了を迎える中小企業金融円滑化法と中小企業に求められること …阿部克己
地域経済の疲弊と中小企業への期待、中小企業振興基本条例の役割 …植田浩史
同友会型企業づくりと経営戦略~経営指針の作成と実践の意義 …菊地 進

●討論
2013年の世界・日本経済をどうみるか
中小企業のビジネスチャンスはどこに
中小企業に求められる経営戦略は
中小企業と中小企業家同友会への期待

國松善次さんがスペシャルオリンピックス・細川佳代子講演会への協力呼びかけでおこしになりました。

 國松善次さん(前滋賀県知事)が、スペシャルオリンピックス・細川佳代子講演会を開催する協力の呼びかけで、事務局の菊雅章さんと共に同友会事務局へおこしになりました。
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 國松さんはスペシャルオリンピックス(SO)日本・滋賀設立準備委員会の会長をされています。
 SOとは、知的障がいのある人たちにスポーツ活動を提供し、社会参加を応援する国際的なスポーツ組織だそうです。
 滋賀にはまだ準備会しかないそうですが、約150人の障がい者がバスケットボール、卓球、バドミントン、サッカー、フロアーホッケーの5種目に取り組んでいます。
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 滋賀準備会をさらに広げるために、SO日本名誉会長の細川佳代子さんを迎えて3月23日(土)午後1時からホテルニューオウミで講演会講演会を開催とのこと。参加費は無料。
 人間らしく生きる条件と環境の実現をを中小企業の経営を通じてめざしている滋賀県中小企業家同友会は、後援団体をお引き受けさせていただきます。
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 多くの皆様のご参加、協賛を、宜しくお願いいたします。(M・H)

アーカイブスを更新しました。

5月以降の報告を掲載しました。
http://www.shiga.doyu.jp/shop/index.html

東日本大震災:復興に立ち上がる中小企業家の記録⑲岩手からの便り

○岩手県中小企業家同友会からの便りを転載いたします。
 同友会で取り組まれている経営指針成文化運動。その理念型の経営が試されています。
 わが社の重大な意志決定は、経営理念を基準として行われているのか、数字上の損得で行われているのか・・・。
 被災地だけでなく、滋賀でも厳しい経営環境が続いている仲で、その事が問いかけられています。

==今からが本当に問われる、どんな時もぶれない経営理念==

 震災からひとつの区切りとなる100日が過ぎました。
 各社の表情は、時間の経過とともに、大きな変化が出始めています。中でも盛岡をはじめ内陸部の直接被害を受けていない地域では、その差が顕著になってきています。
 3月11日震災直後は停電、ガソリン供給ストップ、コンビニでは人のことはお構いなし。自分を守るための乾電池、水、カップラーメンの争奪戦が繰り広げられ、忘れもしませんスーパーではキャベツが1個598円という値札が出たほどです。盛岡でも一週間は、便乗値上げや商品の出し惜しみが横行しました。両手一杯に抱えられないほど買い占めるお客さん。牛乳一本買うために血相を変えて並びました。それから一か月間は、どの企業も、営業活動はストップ。「思考停止」状態になった企業も多くありました。

 しかしそんな中でも、社長の強いリーダシップのもと、経営理念を貫き、社員と一致結束して動いた企業では、3ヶ月経過した現在、他社とは大きな差が出てきています。
 岩手県北部沿岸久慈市に、久慈琥珀(株)があります。社長の向正彰氏は、震災直後から現状を冷静に見極め、「思考停止になるな」と社員に叫び続けた一人です。琥珀(こはく)のアクセサリー、宝飾品の製造・販売をする同社では、30数店あるホテルの直営店で営業がストップ。全く売上げ見通しが立たない状況に直面します。このとき社長は全く焦ることなく最悪の場合を想定し資金を準備。1年分の人件費を確保し、社員を安心させます。同時に市場の徹底調査と、出来うる限りの情報収集を進め、新市場開拓と新商品の投入時期を緻密に練り、先手先手で手を打ってきました。
 しかしそんな中でも毎日社員から「私たちは被災地に何もできない。無力だ」という言葉が重ねられました。社員が下を向く中、社長が言い続けたことがあります。「私たちは無力ではない。今我われには、やることがある。日本のシステムが根本から崩壊した今、むしろこの機会に変われなかったら終わりだ。自分たちを変えるチャンスだ。」社内の行動パターンを根本から転換しました。
 残業は一切なし。時間内でやり切る。どんなことでもいい部分を徹底して強調、小まめに声をかけ、小まめに足を運ぶ・・・社内の体質は3ヶ月で根こそぎ変わりました。
 同社の経営理念は「琥珀との共生」新たな琥珀文化を創造し、世の中の多くの幸せに貢献、地域社会とも共生する企業。実は何百年、何千年と地中で眠り続け、生まれる琥珀には「再生」という意味があります。6月8日発売を開始した、琥珀を満足ゆくまでに使用した万年筆は、一本10万5千円。今この時期に打って出る意味は地域の「再生」を牽引する意志でもあります。「中小企業の底力が問われている。今動かなければ危ない。自社のあり方がどうなのか、徹底して問い直し、先手を打って動くこと」地域の再生は中小企業からしかスタートしません。

 岩手県の最南部一関市には、県内外のビジネスマンから人気の、蔵ホテル一関があります。震災後から、陸前高田や大船渡へのボランティアや医療チーム、マスコミなどの支援スタッフが訪れ、ずっと満室が続いています。
 震災直後、甚大な被害を受けた沿岸地域の同友会会員の安否情報が入って来たのは、蔵ホテル松田和也社長からの情報が一番始めでした。「安心、安全は当然のこと。命を守るのが私たちの使命」と24時間動き続けるホテルの全機能を活かしこの3ヶ月、社員とフル回転で復興への道のりを支えてきました。
 4月に起きた震度6の余震では、満室の室内が一瞬にして真っ暗に。突然のことにお客様はパニック状態に陥ります。しかしこんな時にこそ、経営指針の真価が問われます。社長が「以前だったら追い出していた」という大暴れするお客様。ゆっくりと話を受け止め、全身全霊でお客様のことを守ろうとする社員の姿に、次第に落ち着きを取り戻して行きます。そして翌朝には、満足ではないながらも、宿泊者全員に朝食が用意されました。どんな条件でもその時点で出来る最良のものを提供する。これから被災地に支援に向かう人たちの、大きな心の支えになってきました。
 実は陸前高田「けせん朝市」を影ながら支えてきたのは、この蔵ホテルです。同友会の枠を越え、独自に全国に声をかけ支援物資を募ってきました。その荷物を背負って社長が朝市に出向いていく。社員はそれがなぜか知っています。「本当はうちだって被災者」そう言いたい気持ちをぐっと堪えて笑顔で接する社員。蔵ホテルに泊まったボランティアは、沿岸のがれきの撤去など一日へとへとになって、再び帰ってきます。ホテルのフロントにわざわざ、子ども用のおむつを持参するおばあちゃんがいます。九州からパソコンを送ってくれる見ず知らずの若者がいます。そしてホテルに泊まる溢れる報道陣一人ひとりに、夜な夜な、被災地の中小企業の現状を熱く語る社長がいます。
 ホテルは復興を支える拠点です。人が集い疲れた心と体を休め、再び奮い立たせて出発する。そして命を委ねられる場所なのです。

 この100日間、理念に徹底して向き合い、社員全員で考え、いち早く行動した企業では、全くぶれることありません。そしてこれから半年、1年先が本当の意味で、企業の真価が問われます。「何のために経営しているのか」そして「何のために生きるのか」どんな時もぶれないものは何か、が今問われています。

東日本大震災:復興に立ち上がる中小企業家の記録⑰岩手からの便り

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岩手県中小企業家同友会より滋賀県中小企業家同友会への便りを掲載します。

─件名
本日「けせん朝市」再開~「希望のこいのぼり」へのご協力、本当に有り難うございました。

─内容
 この度の「希望のこいのぼりプロジェクト」のお願いに沢山のご協力、お力添えを賜り心より御礼申し上げます。
 5月5日のこどもの日まで10日しかない中で、最終的には800匹を超えるこいのぼりが全国各地から岩手の地に到着しました。届き次第、5月1日の「けせん朝市陸前高田」のスタートに合わせて掲げはじめ、朝市会場には色取り取りの鮮やかなこいのぼりが舞いました。北海道同友会苫小牧支部では青年部が声がけに奔走してくださいました。また各地同友会でそれぞれに取り組んでくださいました。同友会から発信された情報は、被災地情報、PTAや生徒会、ラジオの生放送、ツイッターなど様々な情報網で広がり、中には高校生が生徒同士で声をかけて集めてくれたものや、5,613匹の掲揚ギネス記録を持つ群馬県館林市から、世界一の記録を作った貴重な30匹を分けてくださったものなど、「岩手の空に」という一人ひとりの思いが込められた贈り物でした。
 大切にくるまった包みの中には一筆ずつ丁寧にメッセージが込められていました。「H8.3.14生まれの長男の鯉のぼり。10年ほど三河の空を泳ぎました。ここ数年出番がありませんでしたが、岩手の空でまた元気に泳いでほしいと思います。復興を願っています・・・」「中学2年の息子の初節句で実家の両親が贈ってくれたものです。朝市“青空市場"が晴れますよう祈っております・・・」
 徳島からのご年配の方からの電話では「テレビの映像を見ていて、遠くの地からでも何か役に立ちたいと思っていたんです。30年以上も前のものですが、子どもたちのために・・・」最近のナイロン製の鮮やかなものではなく、木綿布をしっかり縫い込んだ、おそらく何世代に渡ってお世話になった鯉のぼりでした。どれもしわを伸ばして綺麗に畳んであり、粗雑なものは全くありません。一匹一匹に家族の物語があり、子どもの成長を願う想いがあり、まさに全国の皆さんそれぞれの人生そのものが映して見えて来る、生きたこいのぼりが贈られてきました。
 期間中毎日来る子ども達もいました。にっこにっこと笑顔を振りまきながら、しっぽを引っ張ったりまとわりついたり。男の子も女の子もなかなか帰ろうとしません。「来年はあの気仙川に1,000匹やりたいね」まだがれきの残る川を見下ろしながら話す、緑の法被を着た後ろ姿がありました。

 鯉の大群が泳ぐ朝市の会場には、様々な人が集ってきます。この2ヶ月、消息が分からなかった人の姿も見られました。
 5月5日こどもの日の朝、陸前高田で自動車整備業を営んでいた35歳の後継者、坂本さんの奥様が、朝市の会場に来てくださいました。「同友会で朝市をやるって聞いたので来てみました」。
 8人家族のうち、6人が流され、亡くなりました。残ったのは社長と、このお嫁さん一人。「神経が痛くて、病院でもわからないって言われているんです。どこでぶつけたのかさっぱり。薬を飲んでも電気治療をしてもだめなんです」と足を引きづりながら当時の様子をお話いただきました。
 「子どもたちと車に乗り込んで必死に逃げようと走り出しましたが、途中で津波にのまれ、もうだめだと思った瞬間、衝撃で気を失いました。誰かが助けてくれたんでしょう。目が覚めたときは病院のベッドの上でした。耳の奥に子ども達の叫ぶ声だけが残っていて、未だに離れません。でも、坂本が残してくれた社員がいます。彼は社員全員を逃がして、会社を守ろうと事務所に残っていたようです。発見されたときは靴を履いたまま、いつもと同じつなぎの整備服でした。
 彼が同友会に参加してからは、明らかに言葉が違っていました。行くたびに元気になって帰ってくる。横で見ていて、いい出会いがあって良かった、といつも思っていました。同友会ってそういう場所なんだと、出ていなくとも感じていました。
 彼も子ども達もいなくなってしまいましたが、彼が残してくれた社員がいます。社長と何とか再興していきたいので、これからもお世話になります。携帯は彼の番号をそのまま私が使っていますので、同友会の連絡はそのままで構いません」この間、こちらからひと言も話す間もなく、続けてお話いただきました。
 沢山のこいのぼりが泳ぐ下では、起きてしまった現実に引き戻される瞬間もあります。
それでも誰かに希望を語りたい、話したい。そうした思いで朝市を訪れる姿もあります。

 朝市には、5月1日~8日までの開催7日間で、2千人もの方々がおいでくださいましたが、実は開催までの準備は、直前まで大変な作業でした。オープン前日でもテントには冷蔵庫も販売するものも何もない。何も決まっていない状況でした。開催に漕ぎ着けたのは沢山の方々の支えでした。
 4月26日火曜日、北海道同友会釧根事務所から、31歳の事務局員がやってきました。
青森出身の栗谷秀実さんです。朝市開店のための特別支援で、5月2日までの1週間岩手同友会へ応援に来てくださいました。誰も知らない、水も出ない風呂も入れない被災地に1週間寝泊まりし、夜中は2時3時まで、朝は早くから金槌を持って奔走しました。日頃のネクタイ姿をオレンジ色の繋ぎ服に着替え、真っ黒になって全精力を傾けてくださいました。一週間で地元会員からも絶大な信頼を貰い、最後は「このまま気仙にいるんだろう」とみんなと涙で握手をする姿がありました。
 住工房森の音(有)美建工業の棟梁は、進んでいない状況を見て、日帰りだったはずの日程を切り替え、夜間照明を焚きながら着替えもせず2泊「同友ハウス」づくりをリードしてくださいました。応援に駆けつけた「素人」集団をまとめ、じっと我慢しながら私たちが自分たちで作業が出来るように、見守ってくださいました。
 地域の行政の方々もこの踏ん張りを見ていました。開店までたった数日で行政からも営業許可をいただきました。普段では不可能なことです。「何としても朝市をやるんでしょう?だったら間に合わせないと」全国のこいのぼりを陸前高田に泳がせる。地域に狼煙を上げる。その想いが全てを巻き込んでいきました。ほかにも、沢山の方々の数え切れないバックアップがあって、実現した試みとなりました。

 5月10日、次回からの土日定期開催へ向けた荷物整理に集まった同友会のメンバーは40名。例会でもこんなに人は集まりません。震災から一ヶ月ちょっとのとき、最初に声をあげた時は、実現さえ見えなかったのに、みんなが朝市を中心に集い始めた瞬間でした。
その後夜9時まで、朝9時から12時間に及ぶ気仙の展望を語る「例会」は笑い声の絶えない時間となりました。
 本日5月14日9時、朝市が再開しました。鍋釜、包丁の販売に並んぶ人、食料品や納豆の無料提供に並ぶ300人を超える列。人が途絶えることがありません。もう一回限りのイベントではありません。地域の生活に根ざした、地域になくてはならない朝市になりつつあります。これも全国の「希望のこいのぼり」がくださった全国の支えてくださる力があってのことです。
 そろそろ自分たちでやろう!と声があがり始めました。来年再び沢山のこいのぼりが青空に舞う光景を夢見て、岩手は着実に、確実に復興へ向け歩み始めています。

東日本大震災:復興に立ち上がる中小企業家の記録⑯

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岩手県中小企業家同友会から滋賀県中小企業家同友会の便りを転載します。
http://iwate.doyu.jp/news/110429-184631.html

【11.04.29】岩手から復興への狼煙(のろし)を!~桜の花びらが舞う丘の上で希望を語ろう!


皆が集える拠り所“けせん朝市”をつくろう!

「そろそろ新鮮な魚や肉、生野菜が食べたいな」「あの店の蕎麦、もう一回食べてみたいな」「亡くなった方へ花を手向けたいが、生花がない」・・・大震災から約一ヶ月が経過した頃、まだ水の出ない陸前高田の被災地の方々は、我慢してきたそれぞれの心の奥底にある想いを出し始めていました。必死で生き、必死でもがいてきた時期は耐えることができましたが、それもひと月も経てば限界です。


早く商売がしたい!笑顔を伝えたい!

「地域の声に黙っているわけにはいかんだろう。今こそ地域にお世話になってきた恩を返す番だ」岩手同友会気仙支部の数名が高田ドライビングスクールに集い、自然に話が進んでいきました。元来商売は必要な人達がいて、その人に応えたい優しくて気立ての良い店が周りに出来、それが中心になって賑わいが生まれ街が形成してきたもの。街が消えてしまった陸前高田もまた、“商店”への欲求が高まっていました。「支援される側から、早く自分の足で立って選ぶ側に立ちたい」地域の方々の想いは日々変化していました。
 けせん“朝市”構想はそこから生まれました。店も冷蔵ケースも全て失ってしまった精肉店の社長は、「早く商売がしたいけれど、金も道具も何にもない。建てる場所だって高田にはない。どうしていいか分からない」・・・そこで日常の生鮮品が揃う、皆が集い語り合える拠り所をつくろう、と動き始めました。

もうなくなってしまったはずの“あの味”が復活!

 まず小売店の経営者が「その気」になるまでが、容易ではありませんでした。(有) 橋勝商店の橋詰社長が、一人ひとりの気持ちを全て聴き、説得していきました。鮮魚は魚卸の小松さん。「避難所でじっとしていられない」あてもなく市内を動き回っていた社長を口説き、卸ルートを確保。生花は商工会の婦人部から立候補の声があがるなど、噂を聞きつけ、次第に商店街の店主が集ってきました。
 更に大変なのが飲食店でした。陸前高田の市内には、かつて11店の飲食店がありました。全て跡形もありません。高田には3店の醤油醸造元があり、それぞれの飲食店ではどれを使うか、こだわりがありました。そして店を訪れるお客さんも、それぞれの「ひいき店」がありました。

声かけ、励まし合い、最初の一歩が出る

 昼時はいつも入れないほどの、ある人気蕎麦店。そば良し、つゆ良しの満点の店として地元から慕われていました。「朝市で一日復活店をやってみないか」。最初社長は「気力がわかない」という反応でした。それくらい、自分の日常が突然失われた衝撃は、まだ尾を引いています。当然のことです。
 しかし周りの商店の状況を聴いて、気持ちが変わっていきます。「今動かないと益々動けなくなる。じっとしていたら商売勘だって、気力だって減退してしまう。完璧じゃないけどやってみる」。「俺は担々麺」「うちはカツ丼」店一番の自慢の一品にかける気持ちは震災前と何ら変わりはありません。
 こうして一人、また一人と声をかけ、励まし、一緒にやろうと握手する。そんな積み重ねで10店の小売店と、日替わりで出店する飲食店11店が、けせん“朝市”に臨むことになりました。

ないなら・・・つくればいい。

 「無いなら創る」のが同友会。被災地では今、小さなプレハブは手に入りません。決めたはいいが、飲食店の入る小さな店舗が見つからず、急きょ「同友ハウス」をつくることを決めました。昨年、共に生きる部会で、特別支援学校の生徒さんとつくった、手作り小屋がヒントになりました。住工房森の音 (有)美建工業の桜田社長が中心になり、地元木材を使い、みんなが関わりみんなで建てることができるオリジナル工法です。
 県内各地から屋根瓦業、庭師、浄化槽業・・・入れ替わり立ち替わり総勢20名を越える同友会のメンバーが、集いました。「みんな目が輝いている。みんなキラキラ光っている」こんなに純粋な気持ちで集ったことがあったでしょうか。地域再興への想いは皆同じです。


新たな事業への夢へ

 群馬同友会からは4名の方が、スタンド型風力太陽光発電機(株式会社松村機械製作所)を遠路陸前高田まで届けるために、群馬から8時間かけて訪れてくださいました。同友ハウスとのジョイントです。被災地仕様に特別に製造したものを寄贈いただきました。今後家庭用蓄電池の需要が高まることが予測され、全国から注目される取り組みになりそうです。
 そして三重同友会からは、ビタミンみえのソーラークッカーが到着。けせん“朝市”に結集します(詳細は5月1日以降掲載)。今まで生みだそう、つくろう、と藻掻いてもうまくいかなかった連携で新しい仕事づくり。いつの間にか自然に、地域を越えて繋がり、生まれ始めています。


「希望のこいのぼり」に込めたメッセージ

 5月1日から始まる「希望のこいのぼり」・・・「陸前高田の空に、皆さんの想いをこいのぼりに託して、泳がせてください」・・・全国から続々と集まってきています。「このこいのぼりは・・・」それぞれのこいのぼりに、一人ひとりの想いが詰まっています。
 箪笥の奥から引っ張り出してきた思い出です。古ぼけた箱に入ってきた一匹。30年、もしかしたら40年ぶりに大空に再び泳ぎ出します。


 愛知のある方は「形見であるこいのぼりは大切なものなので出せないが、その代わり「無地」のこいのぼりを贈るので、子ども達とみんなでメッセージや絵を描いて泳がせて欲しい。お互い“同じ空の下”踏ん張りましょう」埼玉のある方は「東北の青空に元気よく泳ぐこいのぼりが、少しでも地域に元気を与えられ、明日への希望をつなぐものになってくれたら」「ツイッターで募集しているのを見て早速送りました。息子の20年前のこいのぼりですが、使っていただけますか。やっと私にできることがあると思いました。少しでも皆さんの思いに寄り添えるだけで嬉しいです。・・・」

満開の桜の下で希望を語ろう!

 陸前高田の桜は今、満開です。5月1日、空には何百匹の泳ぐ姿。桜の舞い散る丘の上で、升に注がれた振る舞い酒を片手に、希望を語る。けせん“朝市”は、岩手から全国の皆さんと共に打ち上げる、復興への狼煙です。

東日本大震災:復興に立ち上がる中小企業家の記録⑮

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○岩手県中小企業家同友会より滋賀県中小企業家同友会へお便りを頂戴しました。その内容は、滋賀の中小企業経営者の皆さんにもお伝えしたい、中小企業復興のドラマでした。一気に読んでしまいました。そして、中小企業家としての仕事のやり甲斐、生き甲斐、地域と共に歩むことに意味や価値を実感いたしました。
  そして、今、ここで経営が出来ていることの幸せ。わが社や社員の幸せ、お取引先の人々の幸せを実現することへの思いを高め、強靱な体質の企業づくり、人を生かす企業づくり、世の中を良くする企業づくりに邁進することを、あらためて強く決意いたしました。
 岩手からの便りは、随時滋賀県中小企業家同友会のHPにも転載したいと思います。

○文中に、「経営指針書」という言葉が出て参ります。HPをご参考にご覧下さい。
 http://www.shiga.doyu.jp/iinkai_keiei-roudou_tukurukai.htm

==以下・転載==
 今日から企業訪問記新シリーズ「岩手の復興は私たちの手で」がスタートします。
 3月11日からこれまで、全国の方々から沢山の応援、ご支援をいただき35日が過ぎました。それぞれ一人ひとりにとっての人生の大きな転機であり、1社1社にとって言葉に言い表せない、それぞれのドラマがあります。
 どうしても映像に写りやすい一部企業に焦点が絞られてしまい、それぞれの想いがクローズアップされない報道が多く見られます。そこで今日からスタートするシリーズでは、岩手同友会の会員企業1社1社にスポットをあて、震災で何が変わりこれから何を展望していくか、刻々と変わる各社の表情、経営者の方々の想いをご紹介していきます。

 第1回は(有)橋勝商店(代表取締役 橋詰真司氏)です。

 食品の卸業を営む(有)橋勝商店。会社の事務所は陸前高田市街地の幹線沿いにありました。3月11日、地震が起きてすぐ、社員を家に帰し家族、子どもの安全を確認するため高台にある自宅に戻ります。
 その後大津波警報のサイレンがけたたましく鳴る中、最も大切なお客様の基礎データを確保するため事務所へ向けて急ぎ車を走らせました。しかし海岸線が大きく盛り上がって押し寄せるのを見てすぐ進路を変え、裏道を猛スピードでかけあがりました。途中高台に逃げる車が渋滞しており、間に合わなかった何十台もの車が波に飲み込まれてしまいました。事務所も、倉庫も、車も全て無くなりました。
 
 被災から一週間後、事業再開へ向けて動き出します。同友会で配布していたチラシの「経営指針を復興計画書に変えて」の文章を思いだし、手書きでA4一枚の「復興計画書」を書き上げました。
 経営理念、経営方針を4行。どんな仕事で事業を再開するかを数行。そしてそのために必要な設備、資金を明確に掲示しました。最後に今後のビジョンとして、「企業経営者と共に地域の復興を目ざし、『なつかしい未来』を実現する。企業と行政、市民が今こそ力を合わせ、同じ目標に一歩ずつ進むことで、街はもとに戻ると信じています。」と書き入れました。

 3月30日、三女の卒園式を終えてすぐ、事業再開へ全力で臨むため静岡の親戚の元に子ども達全員を預け、奥様である専務と2人でスタートを切りました。復興計画書を持って勇気を出して金融機関に相談しました。
 唯々真剣に想いを伝えました。伺った先全てが計画書を見て、協力を約束してくれました。「以外でした。こんなにも復興計画書を本気で聞いてくれるなんて。むしろこういうものがあれば出しやすい。頑張ってと励まされた」
 そして全ての商品を失ってしまい、調達が困難となっている卸元へ。一軒一軒、震災でご迷惑をかけたお詫びと、今後の商品供給のお願いに丁寧にお願いしました。
 怒鳴りつけられるだろうと覚悟して訪問した全社が「全面協力するから、早く立ち上げなさい。地域の小売店がなくなってしまったんだから、あんたたちが小売店もつくるしかないんだ。地域の方々にとってあんた達は絶対なくちゃならないんだ。物流のことは全く心配するな。」と熱烈に励ましてくれました。
 「残されたってことは、こういうことなんだ。」物流と資金の目処が付き、震災から3週間で事業再開が見えてきました。

 4月11日、自宅前に小さなハウスができました。まだ電話も電気も看板もない、仮設店舗です。そして全国の同友会の皆さんから届いた、大切な大切なノートパソコンとプリンターがそこに設置されました、いよいよ橋勝商店が再開します。 
 今陸前高田には、野菜や魚などの生鮮品はほとんどありません。ちょっと食べたい甘い菓子やスナック類も、そろそろ欲しくなっています。沿岸の被災地のほとんどが、未だそうした環境です。地域に切実な生きるためのニーズがあり、それに応えられるのは、古くから地域に根付く中小企業しかありません。
 用意されたものではなく、自分たちが欲しいものを欲しいときに買える店。顔が見えて言葉が交わせる店。決して目立たないけれど、たわいもない日常の欲求を満たしてくれる店。
 橋勝商店は、地域の「今の声」に応える店として、一緒に苦難を共にしてきた社員と共に、今週再開します。

※写真付きはホームページでどうぞ http://iwate.doyu.jp

東日本大震災:復興に立ち上がる中小企業家の記録⑭

岩手県中小企業家同友会からの便りです。
震災から1ヶ月。復興への道程は長いものがありますが、理念の力、仲間の力、人間の力に確信を持って歩んでまいりましょう。

==以下・転載==
○北海道からの贈りもの~同友会運動の歴史を実感した9日間
 震災から一ヶ月が過ぎようとしています。これまで必死で目の前で起きた現実に向き合ってきた毎日でした。今日は一ヶ月の節目ということもあり、事務局で起きたこの9日間を一文、書かせていただきます。
 地震発生から15日目の土曜日、一枚のFAXが岩手同友会に届きました。北海道同友会の細川専務理事から、「新入事務局員3人を岩手の支援に向かわせたい」という趣旨の文面でした。正直なところ、この緊迫した中に22、3歳の新入事務局員が来ても・・・と瞬間、思いました。しかし新入の事務局員が自ら、「事務局員としての第一歩を岩手のために何か出来たら。ぜひ行って支援したい」という言葉を聞いた事、また安否確認と同時に企業再建と雇用維持、地域復興を一気に進めるためには、4人の事務局員では、精神的にも体力的にも全く余裕がない、一杯いっぱいの状況である事もわかっていました。そして4月1日から8日までの9日間、5人の北海道同友会からの力をお借りする事を決めました。
 4月1日(金曜日)、岩手同友会に北海道同友会函館支部の佐々木事務局長が一人、先遣隊でやってきました。まず岩手の現況を見て、どんな支援ができるか見るためでした。同友会事務局員歴15年のベテランは、新入社員合同の入社式研修会から参加。救援物資10トンが眠る倉庫にも入り、岩手の役員や事務局の動きから即座に全体をつかみ、翌々日、北海道から来る4人がすぐ動ける体制をつくっていきました。
 岩手の事務局内ではお迎えする前、激論を交わしました。後に考えれば、今回バックアップいただかなかったら、1歩も2歩も前進するのが遅くなったと思うのですが、その時は皆、相当感情が高ぶっている状況だったのではないかと思います。
 4月3日(日曜日)、2日前に入局したばかりの女性1人と男性2人、そしてしりべし・小樽支部の境井事務局長が、札幌から列車で8時間の道のりを経て、盛岡にやってきました。新入局員の名前は名越麻里さん、佐藤準さん、谷中亨さんです。4月1日に合同の入社式に出た後、北海道の研修に出ずに、翌日にわか仕込みのマナー練習と打ち合わせだけをして「支援研修」に出発しました。
 岩手同友会の事務局に到着した時の顔は、長旅の疲れもあってか、まだだいぶ不安そうでした。しかし翌日4月4日(月曜日)、北海道5名、岩手4名9名全員での朝の打ち合わせがはじまると、雰囲気は一変しました。事務局内が、「パッ」と花が開いたように明るくなり、9人の一体感が生まれました。これが同友会運動の歴史の積み上げなのだと思います。同じこころざしの者が集うと、こんなにも心強く、勇気づけられるものだと、実感しました。全国の皆さんが支えて下さっていることは、十二分にわかっていながら、周りが見えていなかったように思います。なぜ入局3日目の大切な時期に、彼らを岩手に送り込んでくださったかが、この時分かりました。新入事務局員の姿から、同友会運動の力を私たち4人が体で感じることができました。志を同じくする。こんなに力が湧くものなんだと、このとき思いました。
 9人の力は圧倒的でした。倉庫にあった10トンの救援物資は、たった一日で分類が終わり、岩手大学学生とのチャリティーバザー市開催決定までこぎ着けました。翌日から始まった「岩手の企業を一社もつぶさない、つぶさせない例会」でも、雇用調整助成金や融資に関する膨大な資料の作成に始まり、沢山の参加者が来場し騒然とする中でも、スムーズな運営ができ、岩手の復興へ向け感動的な例会となりました。
 そして4月6日(水曜日)、陸前高田での新入社員合同入社式には、北海道の3人も一緒に新入事務局員として臨みました。入社式の直前、3人を大きな漁船が未だ国道沿いに横になりがれきが山積みに残る、大船渡市街へ案内しました。3人に聞くと「自分の足で立ちたい」と車から降り、無言で街を見渡しました。そして何も無くなってしまった陸前高田へ。言葉が全くなくなりました。
 そのまま会場の陸前高田ドライビングスクールへ。会場に入りきれないほどの応援団、報道陣。人の熱気が更に高揚感を高まらせます。「あなたたちが希望の種です。赤々と燃やしてほしい」全員が新入社員、新入事務局員に向いていました。
 14時に始まった入社式はその後例会へと移り、27名全員がこの1ヶ月の想いを発していくと、既に陽は西に傾いていました。悔しさ、絶望感。誰もが同様に感じたこの間の思い。そこからどうやって希望と展望を描いていくか。自分に言い聞かせるように話す、その経営者の方々の一言一言が、胸に染みました。現場に行ってみなければわからない空気感。そこで生きることを決めた人たちの叫び。北海道からの3人が体験した時間は、恐らくこれから起きるどんな困難をも打ち破る力を与えてくれたのではないかと思います。
 明日は岩手での最終日。そんな夜半に、突然震度6弱の余震が起きました。漸く動き始めたこの時期に、再び県内全域が停電となりました。北海道の4人が泊まるホテルも真っ暗に。岩手ではまだ、現実に震災が進行中である事を、私たち自身も気づかされた瞬間でした。
 北海道同友会から事務局員が応援に来て下さったこの9日間は、私たち岩手同友会事務局にとって、かけがえのない時間でした。今まで会員の皆様のために、被災された方々のために全力で向き合ってきた1ヶ月でしたが、冷静に周囲を見渡す余裕がなくなっていたように思います。長い長い復興へ向けた道のりでは、センターである事務局が、オアシスであり続けなければならない。北海道同友会の事務局5人の方々の姿から、思い出させていただきました。
 最後は、普段は冷静なベテランの女性事務局員2人も、そして私も涙が止まりませんでした。しりべし・小樽支部境井事務局長の「私たちは見てしまった、知ってしまった責任がある」、そして新入事務局員の3人の、盛岡に来た時とは全く違う立ち姿、輝く表情、前をしっかりと見据えた目に、希望の光を感じました。

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